ABM(アカウントベースドマーケティング)とは?メリットと実践のための3ステップ

ABM(アカウントベースドマーケティング)は、BtoBで用いられる代表的なマーケティング手法です。
アカウントベースド、つまり企業をベースとしたマーケティング手法であり、BtoBビジネスの場合に有効とされています。
今回は、このABM(アカウントベースドマーケティング)について、そのメリットと、実践するための3つのステップについてご紹介します。

目次

ABMとは、企業単位でアプローチするマーケティング手法

ABM(Account Based Marketing)とは、前述の通りアカウントベースド、企業をベースとしたマーケティング手法です。
もう少し具体的にいうと、「ターゲット企業(アカウント)を決め、ターゲット企業別にセールス/マーケティング情報を分析・アプローチし、ターゲット企業のLTV(Life Time Value:顧客生涯価値、1案件ではなく、その顧客企業と取引を開始してから終了するまでのすべての利益を通して計算したもの)を最⼤化することを目的としたマーケティング手法、とも言われています。

従来のマーケティングとの違い

なぜこのABMがBtoBマーケティングにおいて重要なのかというと、従来のマーケティング手法では、無駄が生じたり、効率的でない場合が多い、ということがわかってきたからです。
従来のマーケティングというのは、リードベースのマーケティングです。個人単位のマーケティングともいえるでしょう。
まずたくさんのリードを獲得することからスタートし、ある程度のリード数があれば、その中から一定の確率で商談化、案件化できるという考え方です。
しかし、この考え方は必ずしもBtoBマーケティングには合致しません。
BtoBの場合、はじめからある程度ターゲットが決まっている商材も多いでしょう。
例えば、従業員規模1,000人以上の企業がターゲットの商材を扱っている場合に、従業員規模が100人程度の企業の方の名刺を獲得したとします。
この名刺をリードだといって営業部門に渡しても、営業部門としてはアプローチのしようがありません。

ABMのメリット

このように、BtoBのマーケティングにおいては、単純に個人単位でたくさんの人数のリードを獲得すればよいというわけではありません。
むしろ、リードを渡される営業部門としては、アプローチしようのない名刺や、優先順位の低い名刺が入り混じっている状態では、効率的に営業活動をすることができなくなってしまいます。

一方、ABMの場合には、最初にご説明した通り、まずはターゲット企業を決めるところからはじめます。そのため、無駄なく効率的にマーケティング・営業活動を行うことができるようになります。
さらに、ターゲット企業が特定されていることで、闇雲に施策を行うのではなく、ターゲット企業にフォーカスしたアプローチを行うことも可能になるのです。

もちろん、これはすべてのBtoBビジネスに当てはまるわけではありません。BtoBでもかなり幅広い企業がターゲットになり得る場合には、ABMのようにターゲット企業をあらかじめ特定することは難しいでしょうし、あまり効果的ではないでしょう。
そのため、ABMは基本的には、ある程度ターゲット企業が特定可能な商材を扱う企業に向いている手法と言えます。

ABMを実践するための3ステップ

では、ABMを実際に行うにはどのように進めればよいのでしょうか。ここでは、大きく3つのステップに分けてご説明していきます。

1.ターゲット企業の特定

まず最初に行うのが、ターゲット企業の特定です。自社の商材に適したターゲット企業はどのような企業なのか、以下のような切り口から分析し、優先順位をつけていきます。

  • 業種
  • 企業規模(従業員数、売上高)
  • 地域
  • 上場区分

もちろん、こういったわかりやすい属性情報以外がターゲットのキーになっている場合もあります。
そして、そういった一見するとターゲティングしにくいけれど重要な情報というのは、実際に顧客と接している営業部門がもっていることが多くあります。
そのため、このときに重要なのは、マーケティング部門だけでこのターゲット企業の特定を行わないことです。
マーケティング部門が獲得・育成した見込み顧客を最終的に商談化して受注につなげるのは営業部門です。
営業部門がどんな見込み顧客を必要としているのか、という観点からターゲット企業を特定することが非常に重要です。

2.ターゲットにフォーカスしたアプローチ

ターゲット企業が特定できたら、そのターゲット企業にフォーカスしたアプローチを行うことが必要です。
オンライン/オフラインのさまざまなチャネルを組み合わせて施策を行うことが多いと思いますが、その中でも優先すべきチャネルはどれなのか、発信するメッセージやキャッチコピーはどうすべきか、いずれも幅広い層に受け入れられることを考えられるよりも、特定のターゲットに絞って、目当ての企業に「刺さる」施策を実行したほうが当然反応率もよくなります。

企業データベースの活用

このとき、ターゲット企業にフォーカスしたアプローチを行うのに非常に有益なのが企業データベースです。
ターゲット企業を業種と企業規模で条件付けたとして、名刺情報からはそれらの情報は得ることができません。
獲得した見込み顧客がターゲット企業と一致しているのかを知るためには、企業データベースの活用が欠かせません。

例えば、ランドスケイプ社が提供している「ユーソナー(uSonar)」を使えば、MAやSFAに登録されている顧客の名刺データに対して、企業属性情報を付与することが可能です。
これによって、すでに保有している顧客(見込み顧客)データの中からターゲット企業に属する人を効率的に特定し、アプローチをすることが可能になります。

また、Geolocation Technology社が提供する「どこどこJP」を使えば、まだ名刺情報の獲得できていない、アノニマスなウェブアクセスに関して、どの企業からのアクセスなのかを知ることが可能です。

どこどこJPの詳しい機能や活用法は下記の記事をご参照ください
[sc_blogcard url=”https://www.venture-net.co.jp/ma/marketing-tool/docodoco-jp/”]

3.施策の分析・振り返り

ABMに限ったことではありませんが、施策を行ったらその分析・振り返りを行うのは非常に重要です。
特にABMの場合には、ターゲット企業として特定した条件は適切だったのか、ターゲット企業に対して適切なアプローチをできていたのか、といった観点からの分析・振り返りが必要でしょう。
このときも、やはり大切なのは営業部門とマーケティング部門が連携することです。
営業部門から見て、マーケティング部門が獲得した見込み顧客の質や数が適切だったのか、反対にマーケティング部門から見て、獲得した見込み顧客に対する営業部門のアプローチは適切だったのか、など、連携して取り組むことができるか否かが成果を大きく左右します。
こうした振り返りを通して、施策を改善し、さらに効果的・効率的なアプローチを継続的に行うことが重要です。

株式会社ベンチャーネットでは、ABMを軸としたBtoBデジタルマーケティングのご支援を行っています。MAやSFA、企業データベース等のツールの導入・活用についても豊富な実績がございます。
チケット制や月額制など、お客様のご要望やご予算に合わせたご支援メニューがございます。ABMによるマーケティング施策でお悩みの方はぜひページ下部のお問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。
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この記事を書いた人

株式会社ベンチャーネット 取締役
Oracle Eloqua Implementation Specialist/Salesforce Certified Pardot Consultant

Oracle Eloquaを中心に、これまでに15社のマーケティングオートメーションの導入・運用支援を行っています。

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