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Oracle Eloqua(エロクア)とは?そのメリット・デメリット

さまざまなベンダーが提供しているMA(マーケティングオートメーション)ツールですが、主にBtoB企業でのMAツール選定にあたって必ずといっていいほど候補に挙がるのがオラクル社の提供するEloqua(エロクア)です。
BtoB向けのMAツールも現在ではかなり普及が進み、それに伴ってそれぞれのMAツールの改善も進んだ結果、一見すると主な機能面では大きな差はなくなってきているようにも思われがちですが、やはりそれぞれにメリット・デメリットが存在します。
今回は、Oracle Eloquaのメリット・デメリットについてご紹介し、どんな企業に向いているのか、Oracle Eloquaを利用して成果を出すにはどうすればよいのか、参考にしていただければと思います。

Oracle Eloquaとは

Oracle Eloquaは、Oracle社が提供するBtoB向けマーケティングオートメーションツールです。日本語での読み方は「エロクア」です。
元々はカナダにおいて1999年に設立されたEloqua社の製品であり、その後2013年にOracle社が買収しました。
BtoB向けマーケティングオートメーションツールとしては非常に長い歴史を持つ製品であり、世界中で使用されています。
企業規模に合わせてEnterprise、Standard、Basicの3つのエディションが用意されており、幅広いニーズに対応しています。

Eloquaの特徴・メリット

使いやすいインターフェイス・操作性

Eloquaをはじめ、海外製ITツールを導入するにあたってハードルになることが多いのが、インターフェイス・操作性の問題です。
Eloquaもかつてはこのインターフェイス・操作性の面で国内製品と比較したときにやや劣っている部分があったのですが、2019年頃からEメールやランディングページ、フォーム、キャンペーンといったメイン機能のインターフェイスが刷新され、かなり使いやすくなりました。
パワーポイントで資料を作成するような操作で、簡単にEメールやランディングページが作成できます。また、キャンペーンも、ドラッグアンドドロップで要素を追加し、各ステップを繋いでいくだけの簡単な操作で作成できます。
ウェブやHTMLの知識のない方でも直感的に利用しやすいインターフェイスとなっています。

下記はオラクル社が提供している操作説明動画です。動画では画面が英語になっていますが、実際にご利用いただく際は日本語ですのでご安心ください。

Eメールの作成画面

キャンペーンの作成画面

各種ツールとの連携

開発不要で連携できるツールが多岐にわたっているのもEloquaの特徴であり、メリットの1つです。例えば以下のようなツールとの連携が可能です。

SFA/CRM Salesforce、Oracle CX Sales(Oracle Sales Cloud)、Microsoft Dynamicsの3種類のSFA/CRMと連携可能です。コンタクトのプロフィール情報だけでなく、メールの開封・クリックやWebサイト訪問といったウェブ上のアクティビティをSFA/CRMに連携することも可能です。また、EloquaのキャンペーンをSFA/CRMの商談と紐づけることで、Closed Loop Reportを生成し、キャンペーンの効果を定量的に分析することも可能です。
ウェブ広告 Facebookリード広告との連携が可能です。Facebookリード広告で獲得したリード情報を自動でEloquaに取りこみ、キャンペーンに追加することができます。面倒な手作業なしで、獲得したリードに対してアプローチを行うことができるのがメリットです。
ウェビナーツール Zoom、WebExと連携しています。Eloquaでウェビナー申し込みフォームを作成したら、申し込み情報を自動でZoom、WebExに連携し、参加案内メールが送付できます。また、ウェビナーへの参加状況をEloquaで取得することも可能です。参加した人にはアンケートメールを送信、不参加だった人には資料の送付や次回のウェビナーの案内を送るなど、参加状況に応じたフォロー施策も自動で行えるようになります。

MAツールの運用にあたっては関連するさまざまなツールとの連携が必要になる場面が多いですが、すべてをいちいち手作業でやるのは非常に大変です。開発なしでシンプルにこうした連携を実現できるのは、Eloquaの大きなメリットと言えるでしょう。

SFA/CRMなしでも営業部門との連携で成果創出

ほとんどのBtoB企業では、最終的に商談を行うのは営業部門ですから、MAツールを活用して成果=売上に貢献するには、営業部門との連携が肝になります。
もちろんSFA/CRMツールがすでに導入済み・あるいはMAツールと同時に導入予定である場合は、MAツールから自動でリード(見込み顧客)の情報をSFA/CRMツールに渡して、営業部門と情報の連携を行うことができ、理想的な形と言えます。
(Eloquaでは、Oracle Sales Cloud、Salesforce、Microsoft DynamicsなどのSFA・CRMツールと連携可能です)

しかし、SFA/CRMツールがない場合でも、Eloquaには営業部門との連携をサポートする2つの営業ツールが付随しています。

プロファイラー リード(見込み顧客)のプロフィールデータに加えて、いつ・どんなメールに反応したのか、ウェブページに訪問したのかなどのオンライン上のアクティビティが時系列やアクティビティ別に閲覧できます。営業担当者がプロファイラーを閲覧することで、見込み顧客へのアプローチ時に興味・関心を知ることができます。
エンゲージ 営業担当者が見込み顧客に対してOne to OneのEメールをEloquaを通して送信できます。Eメールの開封やクリックといったアクティビティをEloquaがトラッキング可能なので、見込み顧客の興味・関心度合いを探ったり、アプローチする適切なタイミングを探ることが可能です。

上記2つのツールがEloqua StandardというEloquaの最も一般的なバージョンの場合はそれぞれ10ライセンス付属しています(2020年4月現在)。営業担当者が10名以上いる場合は追加することも可能で、その場合でも一般的なSFA/CRMツールに比べると低予算で済みますので、特にMAツール導入初期でSFA/CRMまで導入はできない、という場合でも、営業部門との連携に一役買ってくれます。

安心の技術サポート体制

MAツール導入の失敗談として多いのが、「導入したけれど結局あまり利用しなかった/できなかった」という声です。これを避けるためには、やはりサポート体制は非常に重要です。
Eloquaの場合、My Oracle Supportというオラクル社のサポート窓口があり、ウェブサイトから24時間365日問い合わせをすることが可能です。もちろん日本語で対応してくれます。
基本的にはMy Oracle Supportのサイト内でスレッド形式でやりとりを行いますが、文章ではうまく伝えられない、といったときには電話でもサポートしてくれます。また、実際の環境を見て、必要な場合は検証作業をしてくれたり、本社の開発部門に問い合わせしてくれたり、問題が解決するまで丁寧に対応してくれます。

「こういったキャンペーンを行いたいけれど、どう設定すればよいか?」「キャンペーンを動かしたら想定していたのと違う動きになってしまったのだけど、設定に誤りがあるのか?何らかのバグなのか?」など、技術的な質問に関しては幅広く対応してくれますので、安心して運用することが可能です。

複数部門での横断的な利用がしやすい

MAツールをせっかく導入するのだから、複数部門で横断的に利用したいというニーズは多く聞きますが、このとき課題になるのが顧客情報の管理です。
顧客情報は全社の財産、として横断的にアクセス可能にしても問題ない場合はよいのですが、多くの企業では、ある事業部が展示会などで獲得した顧客情報に対して、他の事業部からはアプローチしないでほしい、といった要望があると思います。
Eloquaでは、見込み顧客に「ラベル」を付与して、ラベルごとにアクセスできるユーザー/アクセスできないユーザーを制限することが可能です。自分の部門のラベルがついていない見込み顧客にはEメールを送ることはできませんし、そのデータも閲覧できないように制限できます。
こうした柔軟なデータへの制限は、特に安価なMAツールでは実現できないことが多いですので、データベースのオラクルならではの特徴と言えます。

また、リードスコアリングモデルを複数作成可能である点も、複数部門での横断的な利用にはメリットです。
部門ごとにリードを評価するための要素は異なりますから、1つのモデルでスコアをつけることはできません。Eloquaの場合、1人のリードについてX事業部のスコアリングではA1(最高評価)だけれど、Y事業部のスコアリングではD4(最低評価)、といった形で、複数のスコアを付与することが可能です。

Eloquaのデメリット

特有の用語に慣れる必要

海外製ITツールによくある課題として、ツール内で使われている用語のわかりにくさというのはしばしば指摘される問題です。Eloquaも、この点については少々慣れが必要です。例えば、以下のような用語があります。

コンタクト リード(見込み顧客)のこと
アカウント リード(見込み顧客)の所属する企業のこと
アセット Eメール、ランディングページ、フォームの総称
インサイト Eloquaに付属する分析ツールのこと

ただし、メリットの部分でお伝えした通り、インターフェイスがかなりわかりやすく、直感的に操作できるようになっていますので、こうした用語はあまり意識しないでもいつの間にか慣れてしまうことも多いようです。また、多かれ少なかれ各ツール特有の用語は存在しますので、大きなマイナスポイントではないかもしれません。

ユーザー同士の交流

MAツールに限らず、ツールを導入・運用するにあたって気になるのは「他社はどのように使っているのか?」ということです。「自社の使い方は合っているのか」「もっと有効利用できるのではないか」といった疑問は、きちんと運用を進めるほどに出てくるものだと思います。

安価なツールに比べるとどうしても導入企業数が少なくなってしまうため、特に日本においては、Eloquaユーザー同士の活発な交流はあまり行われていないのが実情です。また、インターネットで検索しても、あまり日本語では情報が出てこないという点もあります。(これについては、ぜひこのMAの教科書で今後積極的に情報発信していきたいと考えています。)

ただし、世界に目を向けるとEloquaユーザーは多数います。オラクル社公式のTopliners(https://community.oracle.com/community/topliners)というコミュニティがあり、英語ではありますが、ユーザー同士が活発に交流しています。
また、日本オラクル社においてユーザー会を開催して、ユーザー様の活用事例や最新のアップデート情報の紹介などを行っていますので、こうした機会を利用することで疑問の解決に役立てるのではないかと思います。

Eloquaの導入・運用に失敗しないために

ご紹介してきたように、Eloquaにはメリット・デメリットそれぞれありますが、導入・運用において失敗しないためには、「何のためにMAツールを導入するのか」「何をもってMAツール導入・運用の成果とするのか」といった目的・目標を定めたうえで検討することがもっとも重要です。
ここが明確になっていない状態では、どのツールが自社に合っているのかどうか判断することはできません。
これらをしっかりと定めた上で、ぜひ各ツールのメリット・デメリットについて比較・検討してみていただければと思います。

オラクル社のゴールドパートナーである株式会社ベンチャーネットでは、Oracle Eloquaのスムーズな導入をご支援する「導入パッケージ」やご担当者様向けの「エデュケーションサービス」をご用意しております。また、運用開始後の各種サポートサービスもございます。Oracle Eloquaの導入・運用にお困りの方は、ぜひEloqua導入・運用サポートに関するお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
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