NetSuiteを中心に解説するERPパッケージの概要と導入メリット

ERPとは、Enterprise Resource Planning(企業資源計画)の略で、財務会計、人事管理、販売管理、在庫管理など、企業の基幹業務を統合的に管理するためのソフトウェアのことです。従来、部門ごとに個別最適化されていた業務システムを一元化し、経営資源を可視化することで、全社的な業務効率化と迅速な意思決定を実現するのがERPパッケージの目的です。

目次

ERPパッケージの種類と特徴

ERPパッケージには、大きく分けて以下の3種類があります。

  1. 完全統合型:基幹業務の全てを網羅し、データを一元管理するタイプ。情報の整合性は高いが、導入の難易度も高い。
  2. コンポーネント型:基幹業務を部分的に統合し、必要な機能を組み合わせて利用するタイプ。柔軟性が高く、段階的な導入が可能。
  3. 業務ソフト型:特定の業務領域に特化したソフトウェア。導入コストを抑えられるが、全社的な情報統合は難しい。

また、導入形態としては、クラウド型とオンプレミス型の2種類に分けられます。クラウド型は、ソフトウェアをクラウドサービスとして利用するタイプで、初期コストを抑えつつ、スピーディーに導入できるのが特徴です。一方、オンプレミス型は、自社でシステムを構築・運用するタイプで、カスタマイズ性の高さが魅力ですが、導入コストと運用負荷が高くなる傾向にあります。

ERPパッケージの導入メリット

ERPパッケージを導入することで、以下の5つのメリットが期待できます。

1.スムーズなデータ連携による業務効率の向上
ERPパッケージにより、部門間のデータ連携が容易になるため、情報の二重入力や確認作業などの無駄が削減され、業務効率が大幅に向上します。

2.業務プロセスの統合による生産性の改善
ERPパッケージによって、部門を越えた業務プロセスの統合が実現します。これにより、業務の属人化が解消され、全社的な生産性の改善につながります。

3.システム構築・運用負担の軽減とコスト削減
個別最適化されたシステムを統合することで、システム全体の構築・運用コストを大幅に削減できます。特にクラウド型のERPパッケージなら、初期投資を抑えつつ、運用負荷も軽減できます。

4.経営状況のタイムリーな把握による意思決定の迅速化
ERPパッケージにより、財務状況や在庫状況など、経営に必要な情報をタイムリーに把握できるようになります。これにより、経営判断のスピードと精度を高めることが可能です。

5.内部統制の強化とコンプライアンスの向上
ERPパッケージは、ワークフローによる承認プロセスの電子化や、アクセス制御など、内部統制を支援する機能を備えています。これにより、不正の防止とコンプライアンスの向上が図れます。

NetSuite:中堅・中小企業に最適なクラウドERP

ERPパッケージの中でも、私たちがお客様に自信を持っておすすめするのが、オラクル社のNetSuiteです。NetSuiteは、財務管理、在庫管理、受発注管理、プロジェクト管理など、基幹業務の主要機能を網羅したクラウド型の統合ソリューションです。

グローバルで38,000社を超える導入実績を誇り、あらゆる業種・業態に対応できる柔軟性が特徴です。機能の追加や変更など、お客様の事業の成長に合わせて、システムを拡張していくことが可能です。

NetSuiteは、シンプルで直感的な操作性を重視しているため、導入直後から現場での活用が進みやすいのも大きな魅力です。ロールベースのダッシュボードにより、経営者から個々の担当者まで、必要な情報にアクセスしやすい環境が整っています。

ビジネスインテリジェンス機能が標準で搭載されているため、蓄積されたデータを、セルフサービス型の分析ツールで多角的に分析できます。これにより、経営判断に必要なインサイトを、タイムリーに得ることができます。

また、初期費用を抑えつつ、低コストでERPパッケージを導入できるのも、中堅・中小企業にとって大きなメリットと言えるでしょう。

NetSuiteが解決する企業の課題

多くの企業では、手動の会計・請求プロセス、子会社とのリアルタイムな統合の欠如、ビジネスユニットのコストの適切な配分、プロジェクト管理や収益性の把握不足、シリアル化された在庫やマルチロケーション在庫の追跡の難しさなど、様々な課題を抱えています。

NetSuiteは、これらの問題に対して包括的な解決策を提供します。クラウドベースのシステムにより、ITリスクとコストを削減し、OneWorld機能でグローバルな財務統合を実現します。プロジェクト管理、在庫管理、財務会計を一つのプラットフォームに統合することで、業務の可視化と効率化を促進します。

また、事業の拡大に伴う部門や商品ラインナップの追加、より複雑な管理手法を取り入れることも、カスタマイズ機能やアドオン機能を利用することで柔軟に行えるため、成長を見据えた業務基盤の構築が可能になります。NetSuiteは、属人化した業務プロセスを標準化・効率化し、タイムリーな情報へのアクセスを提供することで、経営の高度化とスピーディーな意思決定を支援します。

ERPパッケージの選定ポイントと導入の進め方

ERPパッケージを選ぶ際は、自社の課題や目的を明確にした上で、以下の3つの観点から、適切な製品を見極めることが大切です。

  1. 機能の充足性:自社の業務に必要十分な機能を備えているか
  2. 操作性の高さ:現場での使い勝手が良く、業務に馴染みやすいか
  3. ベンダーの安心感:導入支援や保守運用に関するサポート体制が充実しているか

製品選定と並行して、現状の業務フローを可視化し、あるべき姿(To-Be)を設計していきます。ERPパッケージの導入は、単なるIT化ではなく、業務改革(BPR)の側面を持っています。現場の声を反映しつつ、標準機能を最大限に活かすことで、無理のない変革を進めていくことが肝要です。

導入プロジェクトを進める上では、経営層によるリーダーシップとともに、現場のキーマンを巻き込んだ体制作りがポイントになります。POC(概念実証)を通じて、効果を検証しながら、段階的にシステムの適用範囲を拡大していくアプローチも有効でしょう。

NetSuiteは、お客様のビジネスの成長を支えるERPパッケージとして、大きな可能性を秘めています。ぜひ一度、NetSuiteの導入をご検討ください。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

株式会社ベンチャーネット 代表取締役
2005年に株式会社ベンチャーネットを設立後、SEOをはじめとするデジタルマーケティング領域のコンサルティングサービスを展開
広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で支援を行っています
著書に『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業 「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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