NetSuiteとDynamics365を徹底比較!機能・向き不向き・乗り換えのポイントを解説

ビジネスにおける効率的な業務管理システムの導入は、企業の成長や競争力を向上させる上で重要です。その中でも、NetSuiteとDynamics 365は、多くの企業が注目するクラウド型の統合ビジネス管理ソリューションです。

しかし、どちらを選択すべきか迷っている企業も少なくありません。また、Dynamics365からNetSuiteへの乗り換えを迷っている企業もあるでしょう。

本記事では、NetSuiteとDynamics 365を徹底比較し、それぞれの機能や向き不向き、乗り換えのポイントについて解説します。

目次

NetSuiteとは

NetSuiteは、企業の収益性や業務効率性に深く関わるシステムを単一のクラウド型ERPで提供するプラットフォームです。例えば、販売管理、在庫購買管理、生産管理、会計管理など、これまで別々のシステムで管理されていた業務をNetSuiteで統合することで、すべてを単一のシステムで管理できるようになります。

機能

NetSuiteの機能は以下のとおりです。

機能説明
統合基幹業務システム(ERP)在庫管理、人事管理、財務会計、サプライチェーン、BI機能、請求管理、受注管理、分析・レポートなどの機能が統合されている。1つのデータベース上に取引データや顧客データが集約され、重要な決断をスピーディーに行える。
顧客管理システム(CRM)顧客情報を商談状況や購買履歴などで管理し、リアルタイムで顧客情報を更新・可視化する。顧客満足度を高めるための「カスタマーポータル」も利用可能。24時間365日体制で顧客をサポート。
eコマースERPやCRMとの連携が可能。リアルタイムで在庫管理や販売管理ができ、顧客の動向を分析して収益性の向上に貢献。Shopifyなど既存ECサービスとの連携も可能。
ビジネスインテリジェンス経営状況や進捗状況を可視化し、情報分析を効率化する。市場変化を早く察知し、迅速かつ的確な判断を行うことができる。各部署に対応した形でダッシュボードに分析結果が表示され、従業員に浸透しやすい。
NetSuiteの機能

特徴

NetSuiteは真のクラウドERPとして、クラウド用に設計されたマルチテナント型ERPを提供しています。すべての顧客が1つのサービスを利用し、バージョンアップは自動的に行われるため、管理コストを削減し、クラウドの恩恵を最大限に受けることができます。この違いは、導入時のコストだけでなく、アップグレードや拡張時のコストにも影響します。

NetSuiteはCRMやERP、Eコマースなど、経営に必要な機能がオールインワンで提供されています。これらの機能は単独ではなく統合されており、リアルタイムでデータが更新されるため、各部署が迅速に情報を共有し、経営判断を行うことができます。さらに、各部署の負担を最小限に抑えながら、効率的な経営判断を支援します。 NetSuiteは、統合されたクラウドERPソリューションとして、ビジネスの成長と効率性を向上させるための包括的なツールです。

向いている企業・向いていない企業

NetSuiteが向いている企業・向いていない企業は以下のとおりです。

向いている企業向いていない企業
小規模から中規模の企業大規模な企業(複雑な業務プロセスを持つ)
成長段階にある企業業種や業態が特殊な企業
クラウドベースのERPを求める企業オンプレミス型のシステムを好む企業
マルチテナント型ERPを採用したい企業カスタマイズが多く必要な企業
オールインワンの統合システムを求める企業専門的な業務に特化したシステムを必要とする企業

Dynamics365とは

Dynamics 365は、革新的なビジネスアプリケーションのポートフォリオであり、組織の運用効率を向上させ、顧客体験を最適化します。このプラットフォームは、ビジネスの柔軟性を高め、複雑性を軽減しながら、コストを増やすことなくビジネスの俊敏性を向上させます。

機能

Dynamics 365の機能は多岐にわたり、CRM、ERP、業務特化の3つの領域に分かれています。CRM領域では、MarketingやSalesなどの機能があり、顧客エンゲージメントの向上を支援します。ERP領域では、FinanceやSupply Chain Management、Business Centralなどがあり、会計やサプライチェーンの管理をサポートします。また、最新のAIテクノロジーを活用した予測分析機能や、生成AI技術のCopilotが搭載されており、データからの洞察を提供し、業務効率化を促進します。

特徴

Dynamics 365はクラウドベースのビジネスアプリケーションで、CRMやERPなど幅広い業務領域をカバーし、生産性向上や効率化を促進します。その特徴は、Microsoft 365との親和性や柔軟性、グローバル展開の実績などが挙げられます。一方で、導入コストの高さやカスタマイズの複雑性、データセキュリティの懸念なども考慮すべきポイントです。企業はこれらの要素を総合的に判断し、自社のニーズに最適な導入方法を検討する必要があります。

向いている企業・向いていない企業

Dynamics 365が向いている企業・向いていない企業は以下のとおりです。

向いている企業向いていない企業
中小から大規模な企業小規模企業や個人事業主
複数の業務領域を統合し、ビジネスプロセスを効率化したい企業業務の規模や複雑さが低く、既存のツールで十分な企業
データ駆動型の意思決定を重視し、顧客エンゲージメントを向上させたい企業データ管理や分析に十分なリソースを割けない企業
クラウドベースのソリューションを採用し、柔軟性と拡張性を求める企業オンプレミス環境を好む企業
Microsoft製品を既に導入しており、シームレスな連携を図りたい企業競合他社の製品や独自のシステムを利用している企業
ビジネスプロセスをカスタマイズし、拡張性を持たせたい企業標準の業務プロセスに固執し、柔軟性を求めない企業

Dynamics365からNetSuiteへ乗り換えるメリット

Dynamics365からNetSuiteへ乗り換えるメリットは以下のとおりです。

①真のクラウドERPへの移行

NetSuiteは真のクラウドERPであり、クラウドベースのマルチテナント型アーキテクチャを採用しています。これにより、アクセス性、拡張性、セキュリティが向上し、運用コストが削減されます。

②オールインワンの統合システム

NetSuiteはERP、CRM、Eコマースなど、多岐にわたるビジネス機能が統合されています。例えば、販売チームが顧客の注文を受けると、それが自動的に在庫管理や会計部門に反映され、迅速な注文処理と正確な在庫管理が可能になります。

③柔軟性とカスタマイズ可能性

NetSuiteは柔軟性が高く、カスタマイズや拡張が容易です。企業の成長や変化に合わせてシステムを調整することができます。新しい業務プロセスやレポートが必要な場合、NetSuiteのカスタマイズ機能を使用してそれらを追加できます。

④グローバル展開への対応

NetSuiteはグローバル展開にも対応しており、複数の国や地域でビジネスを展開する企業にとって理想的です。為替レートの管理や地域ごとの法規制への対応など、国際ビジネスを円滑に行うための機能が豊富に用意されています。

⑤成功事例とベストプラクティスの参考

NetSuiteには豊富な顧客事例や成功事例があります。多くの企業がNetSuiteを導入し、効率化や収益増大、顧客満足度の向上などの成果を上げています。

どちらが適しているか慎重に検討しよう

NetSuiteとDynamics 365の比較検討は、自社に最適なERPを選択する上で不可欠です。まず、NetSuiteの無料デモを利用し、実際の機能を体験し、自社のニーズに適合するかどうかを確認しましょう。

機能面だけでなく、ユーザビリティやカスタマイズ性、グローバル展開への対応性も検討しましょう。顧客事例や成功事例を参考にして、他社の導入実績や満足度を確認し、自社に最適な選択を行うことが大切です。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

株式会社ベンチャーネット 代表取締役
2005年に株式会社ベンチャーネットを設立後、SEOをはじめとするデジタルマーケティング領域のコンサルティングサービスを展開
広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で支援を行っています
著書に『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業 「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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