配賦とは何か?原価計算における重要概念を理解しよう
本記事では、原価計算における「配賦」の意味と重要性について、分かりやすく解説します。また、クラウドERP「NetSuite」を使って配賦を自動化するメリットについても詳しく説明します。
配賦の定義と具体例
配賦とは、複数の部署や製品に跨る費用を、一定の基準で振り分けることを指します。複数部門で共有する備品の購入費用を、利用率に応じて各部署に割り当てる、といったケースが配賦の代表例です。
原価計算を正確に行う上で、配賦は非常に重要な考え方となります。部門別や製品別の原価を正しく把握するためには、複数部署に跨る間接費を適切に配賦する必要があるのです。
なぜ配賦が重要視されるのか?2つの理由を解説
では、なぜ配賦が重要視されるのでしょうか。その理由は大きく2つあります。
部署間の費用負担を平等にするため
1つ目は、部署間の費用負担を平等にするためです。複数部署で共用する費用を、特定の部署に偏って配賦してしまうと、各部署の業績評価が歪んでしまいます。公平な評価のためには、妥当な配賦基準に基づいて、費用を各部署に振り分ける必要があるのです。
全社的なコスト意識を醸成するため
2つ目は、全社的なコスト意識を醸成するためです。配賦を通じて、自部署だけでなく会社全体の費用と向き合うことで、社員のコスト意識が高まります。ムダな支出を減らし、収益性を高める行動につながるでしょう。
適切な配賦がもたらす3つのメリットとは?
適切な配賦は、会社にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。ここでは3点挙げてみましょう。
- 部署間の費用負担が平等になり、公平な業績評価が可能になる
- 全社的なコスト意識が向上し、ムダな支出削減になる
- 正確な原価情報を基に、戦略的な意思決定が可能になる
配賦を適切に行うことで、会社のパフォーマンス向上と戦略的経営の実現につなげられるのです。
配賦を行う際の3つの注意点
一方で、配賦を行う際の注意点もおさえておきましょう。
- 配賦基準の設定は現場の声も聴きながら慎重に行う
- 配賦計算の自動化に頼りすぎず、人の目でもチェックをする
- 配賦結果が適切かどうか、定期的に検証する
適切な配賦は一朝一夕では実現できません。配賦のPDCAサイクルを回し、継続的に改善していく必要があります。
NetSuiteで配賦を自動化する5つのメリット
次に、NetSuiteで配賦を自動化するメリットについて説明しましょう。NetSuiteは、世界で30,000社以上に選ばれているクラウドERPです。
NetSuiteなら経費配賦表機能を利用して、あらかじめ設定した配賦ルールに従って自動的に配賦計算が行われます。この機能により、以下のようなメリットが得られます。
- 手作業によるエラーのリスクを減らすことができる
- 管理会計の作業負担を軽減し、効率化を図れる
- 比率や部門面積などの情報をもとにした動的な配賦を行うことで、定期的な配賦基準の見直しにつなげる
- タイムリーで正確な原価情報を、 どこからでも確認できる
- 部門以外でも、社内をセグメント化して配賦することが可能なため、見たい角度でコストを把握できる
NetSuiteの配賦機能を活用すれば、管理会計の実務負荷を下げつつ、より戦略的な原価管理を実現できるでしょう。
IT企業だからこそ、NetSuiteの自動配賦が有用
続いて、IT企業における配賦の重要性を解説します。
IT企業の場合、原価の大部分を労務費が占めています。労務費を適切に把握し、プロジェクト別の採算を正しく管理するためには、工数管理が欠かせません。
NetSuiteなら、作業時間を案件単位で集計し、人件費を直課で配賦できます。準備時間などの間接費は、設定した基準に従って各案件に自動配賦されます。原価が見えにくくなりがちなIT企業でこそ、NetSuiteによる自動集計と配賦が有用なのです。
まとめ:配賦を軸とした原価管理の高度化を
最後に、本記事のポイントをまとめましょう。
- 配賦は、複数部署/製品に跨る費用を一定の基準で振り分けること
- 部署間の平等性と全社的コスト意識の向上に寄与する
- 配賦基準の設定や検証は慎重に。定期的な見直しをすることが重要
- NetSuiteで配賦を自動化すれば、管理会計の効率化と高度化が可能に
- 工数管理が重要なIT企業でこそ、NetSuiteの配賦機能が役立つ
経営の意思決定に資するためにも、配賦を適切に行い正確な原価情報を把握することは欠かせません。NetSuiteの導入を機に、配賦を軸とした原価管理の高度化に取り組んでみてはいかがでしょうか。