SAP ERPは、国内企業の基幹システムとして広く普及している製品の1つです。その「SAP ERP 6.0」のサポート期限が2027年末に迫っており、多くのユーザー企業にとって大きな課題となっています。これがいわゆる「2027年問題」です。
この2027年問題への対応を誤ると、セキュリティリスクの高まりやシステム障害による業務停止など、経営に深刻なダメージを及ぼしかねません。SAP 2027年問題は、ユーザー企業の経営層が真剣に向き合うべき喫緊の経営課題と言えるでしょう。
本記事では、この2027年問題への対応策として、クラウドERP「NetSuite」への移行を提案し、そのポイントをご説明します。
SAPからの移行でカギを握る「Fit to Standard」
クラウドERPへの移行を検討する際は、「Fit to Standard」の考え方を意識することが非常に重要になります。
「Fit to Standard」とは、自社の業務プロセスをシステムの標準機能に可能な限り合わせることを指します。システムをカスタマイズするのではなく、業務のやり方自体を見直すことで、システムの複雑化を避け、導入・運用コストを抑えることができるのです。
特にクラウドERPの場合、カスタマイズの自由度はオンプレミスに比べて低くなります。したがって、自社の業務プロセスを可視化・標準化し、システムの標準機能に適合させていくことがポイントとなります。
NetSuiteはSAP 2027年問題の解決策になり得るか
NetSuiteをSAPからの移行先に選ぶべき理由は、大きく3つあります。
1.業務に必要十分な機能の充実度
NetSuiteは、財務会計、販売管理、在庫管理など、基幹業務のあらゆる領域をカバーするクラウドERPです。クラウドERPの中ではカスタマイズ性が高いため、御社の業務に合わせて、柔軟にカスタマイズできるのも魅力です。
各機能モジュールはシームレスに連携するため、複数システムを行き来する非効率から開放されます。経営判断に必要な情報もタイムリーかつ一元的に把握可能で、部門を越えたスムーズな連携にも役立ちます。
2.クラウド型ならではのメリット
クラウド型のERPであるNetSuiteは、自社でサーバーを保有する必要がありません。初期投資を大幅に抑えられるのは大きなメリットです。サーバー調達の手間も省け、スピーディーな導入が可能です。
バージョンアップも定期的に実施されます。常に最新の機能が使えるので、自前でシステムを保守・更新するコストや手間も不要です。国内外の拠点追加も容易で、海外展開の強力な味方となるでしょう。
3.サポート体制
手厚いサポート体制もNetSuiteの強みです。ビジネス要件に合わせ、オラクル社の複数のサポートプランの中から選ぶことが可能です。また、様々な特徴をもったNetSuiteパートナー企業の中から、自社の運用方針にあったパートナーにサポートを依頼することも可能です。
まとめ:クラウドERP「NetSuite」への移行によってSAP 2027年問題をチャンスに変える
「2027年問題」は、経営基盤の再構築と業務プロセス改革の好機でもあります。クラウドERPへの移行と「Fit to Standard」の実践は、レガシーなビジネスプロセスを見直し、競争力を高める絶好の機会になるはずです。ぜひ一度、NetSuiteへの移行をご検討ください。
