従来から続く働き方改革の推進や、昨今のコロナウイルスの感染拡大防止の観点から、リモートワークの導入が進んでいます。
しかし、オフィスワークの中でも財務・会計・経理・法務部門は、他部署に比べてリモートワークが進んでいないという課題があります。その大きな理由の一つが、紙の請求書があります。
たとえば、紙の請求書を人手で入力する作業は、企業活動の中で繰り返し発生する定型業務の代表例としてあげられます。しかし、ミスが許されないという性質上、経理担当者の負担は非常に大きいものと言えます。
かといって、請求書の電子化は社外取引先の協力が必要なこともあり、導入ハードルは低くありません。
そこで、RPAとAI-OCRを組み合わせて、紙書類の電子化〜データ入力までを自動化するソリューションに最近注目が集まっています。この方法を使えば、請求書だけでなく、あらゆる紙媒体の書類の電子化〜データ入力の自動化が可能になるため、汎用性が高いながらもすぐに大きな効果の生み出しやすい組み合わせ方法ということができます。
今回は、AI-OCRの中でもシェアNo.1で制度も高い「DX Suite」の特徴や料金を触れつつ、実際に請求書の読み取り〜入力自動化がどのくらいの費用感で可能かを検証したいと思います。
DX Suiteの特徴・費用
DX Suiteの特徴は、国内No1シェアとそれを裏付ける読み取り精度にあります。
DX Suiteを提供するAI inside社は上場から半年で時価総額が1000億円を突破し、市場での注目度が集まっています。AI insideの主要サービスであるDX Suiteは、従来のAI-OCRでは難しかった高精度の日本語の手書き文字認識を武器に、AI-OCR市場で6割を超えるシェアを誇ります。
パーソルテンプスタッフ、アフラック生命保険、JALカードといった、手書き文字のデータ入力が必要な業界を中心に導入が進んでいます。最近では地方公共団体の特別定額給付金業務にも貢献しており、今後さらに注目が集まってくるでしょう。
DX Suiteの費用は以下の通りです。
ラインナップ | 初期費用 | サービス基本料 | 無料枠リクエスト | 追加リクエスト量 |
---|---|---|---|---|
DX Suite Standard | 20万円 | 10万円 | 5万リクエスト | 0.5〜1円 |
DX Suite Pro | 20万円 | 20万円 | 20万リクエスト | 0.1〜1円 |
DX Suite Lite | 0円 | 3万円 | 6000リクエスト | 3円 |
DX Suiteには「リクエスト」という概念が存在します。これは、読み取り箇所1パーツにつき1リクエストが必要です。例えば、以下のサンプル請求書で赤枠部分の箇所を読み取る場合、3箇所あるので3リクエスト消化します。
プランによって最初から付与されている無料リクエスト分が異なります。つまり、月間にどのくらい読み取るかによって選択するプランが変わってきます。
最近では、初期費用0円、月額費用が3万円のDX Suite Liteプランが登場しました。従来のプランでは難しかったテスト的運用も可能になります。ひとまずこのタイプを契約してテスト的に運用し、制度の確認や運用体制が固まり次第拡大していくのが良いでしょう。
DX Suite × WinActorの料金シミュレーション
実際に、以下のような請求書を想定した時、DX SuiteとWinActorの費用がいくらくらいになるか見てみましょう。
先ほどのサンプル請求書の場合は3リクエストでしたが、書類の内容によって読み取り箇所は異なってくるので、仮に15リクエストとすると、それぞれの費用は以下の通りになります。(無料リクエスト分のみ使用。シナリオ外注費は5万円で計算)
WinActor実行版(248,000円/年)+ シナリオ作成外注費(50,000円) |
WinActor通常版(908,000円/年) | |
---|---|---|
DX Suite Standard (月間3333枚) |
初期費用:498,000円 月額:100,000円 |
初期費用: 1,108,000円 月額:100,000円 |
DX Suite Pro (月間13333枚) |
初期費用:498,000円 月額:200,000円 |
初期費用:1,108,000円 月額:200,000円 |
DX Suite Lite (月間400枚) |
初期費用:298,000円 月額:30,000円 |
初期費用:908,000円 月額:30,000円 |
Liteプランのコストパフォーマンスが目立ちます。
初期費用や月額で見ると費用が非常に大きく見えがちですが、人件費と比較することでその価値が現れてきます。また、外注の場合セキュリティリスクも考慮する必要がありますが、DX Suiteはセキュアなネットワークにおいても評価されています。
費用対効果・時間対効果の観点とセキュリティの観点の両方から、AI-OCRとWinActorの導入を検討しましょう。
WinActor導入の第1歩はDX Suiteとの組み合わせから
RPA導入にあたっての課題の一つに、「社内のどの作業がRPAに適しているのか?」「この作業の自動化はRPAでできるのか?」を見極めるのが難しいことが挙げられます。
RPA導入に成功している企業の大半は、運用担当者を育成しつつ、徐々にRPA導入・運用を進めます。つまり、RPA導入=自動化達成ではなく自動化の第一歩、という認識がまず必要になります。
運用担当者のスキルが低いまま、社内の作業を自動化しようとした結果、思いのロボット開発が難航したり、そもそもRPAでの運用に適していなかった、というケースが散見されます。
その点で、「AI-OCRでデータ化されたファイルの自動入力」は、RPA導入した企業が一番取り組みやすく、かつ効果の生み出しやすい業務と言えます。単純作業の繰り返しであり、エラーの生じる要素が少ないからです。
RPAを導入して業務自動化を考えている企業にとっても、紙書類を減らして経理担当の負担を減らしたいと考えている企業にとっても、「DX Suite × WinActor」はオススメの選択肢です。