RPAエキスパートの笹谷です
最近、RPAの導入・運用にMicrosoftのPower Automate Desktop(パワーオートメイトデスクトップ)が検討または選択される機会が多くなってきています。また、すでに別のRPAツールを導入・運用がされていても、ライセンス更新などのタイミングで乗り換えを検討する企業もいらっしゃいます。
今回は、新規や乗り換えでPower Automate Desktopに注目が集まる理由について、RPAエキスパートの笹谷が3つのポイントから紐解いていきます。
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ポイント1:安価で導入しやすい
まず一番に挙がるのは圧倒的なコストパフォーマンスです。
Power Automate Desktopは基本的に無償で利用できますし、一部の拡張機能を使用する場合でも4350円/月程度の費用で済みます。無償版と有償版の違いを以下にまとめました。
個人アカウント(無償) | 組織アカウント(月4350円) | |
---|---|---|
ストレージ | OneDrive | Microsoft Dataverse |
クラウドフローの接続 | なし | あり |
スケジュールやトリガー実行 | なし | あり |
チーム共有、中央制御 | なし | あり |
AI Builder、カスタムコネクタなどの拡張機能 | なし | あり |
いずれも、大規模組織で運用したり、より高度な機能を使用するためには組織アカウントが必要になりますが、RPAでよく使われる「Webで読み取りしたデータをExcelにまとめる」ですとか、「Excelデータをシステムに入力する」といった基本的な動作は無償版で十分動作可能です。
RPAツール最大手のWinActorであれば、ライセンス費用は年間90万円弱かかります。シナリオが編集できない実行版でも年間24万円かかりますので、コストパフォーマンスの高さがわかります。
また、最近のWindowsパソコンであればあらかじめPower Automate Desktopがインストールされていることや、有料アカウントはOfficeアカウントに追加するだけといったことなど、導入に関するハードルの低さも注目が集まる理由です。
ポイント2:既存ツールと比べてそん色ない機能性
Power Automate Desktopは、WinActorを始めとするメジャーツールと比類する機能を備えております。
筆者はWinActorを3年以上使用し、その後Power Automate Desktopを活用していますが、今のところ「WinActorだったらできたんだけどなあ、、、」といった事例はありません。
確かに、細かいExcelの操作や、変数の設定といった細かい点ではWinActorと異なる面も見受けられますが、シナリオ作成と実行する上ではそこまで影響ありません。
ポイント3:シナリオ作成に活用しやすいフロー群と自動記録
RPAではおなじみの操作記録によって自動でフローを作成する機能ですが、Power Automate Desktopでももちろん備えられています。加えて、自動記録中にどの要素にどの操作をしているかがわかりやすくリストアップされるので、操作がきちんと反映されているかがわかります。
自動化のために必要なアクションが程よく揃えられていて、初めて使う人でも比較的わかりやすい操作性になっております。
加えて、AWSやAzure、FTPやOCRに関連するアクションも標準で備えられております。
他のRPAからの乗り換えは大変?
既存RPAから乗り換えを検討する場合、新規のRPAプロジェクトスタートと比べて以下のメリットと注意すべき点があります。
まず、メリットは以下の通りです。
- すでに稼働しているシナリオを参考にできる
- RPAシナリオを作成する前段階をスキップできる
- RPAに対して理解やイメージができている
既存シナリオが用意されているため、それぞれのフローをPower Automateで置き換えていくことで
一方、注意すべきポイントもあります。
- 既存シナリオに使用されているフローは代替可能か
- 既存シナリオの仕様は確認できるか
とりわけ、独自でスクリプトを作成し使用していたり、画像マッチング等での操作が多用されている場合などは、移行前に事前に気になる箇所について動作確認をしておきましょう。
Power Automate Desktopのアカウントの種類と導入方法
アカウントの種類
Power Automate Desktopの導入で引っかかるのは、有償アカウントを導入する際、どの有償アカウントを利用するのかがわかりづらい点です。各アカウントの種類と内容について下記にまとめました。
月額 | 内容 |
---|---|
1650円/月 | クラウドフロー(Power Automate) |
4350円/月 | クラウドフロー(Power Automate)+デスクトップフロー(Power Automate Desktop) |
10870円/月 | フローごとのライセンス。クラウドフロー(Power Automate) |
簡単にまとめると、下記機能をデスクトップ操作(RPA)で使いたい場合は4350円/月のライセンスを契約してください。
個人アカウント(無償) | 組織アカウント(月4350円) | |
---|---|---|
ストレージ | OneDrive | Microsoft Dataverse |
クラウドフローの接続 | なし | あり |
スケジュールやトリガー実行 | なし | あり |
チーム共有、中央制御 | なし | あり |
AI Builder、カスタムコネクタなどの拡張機能 | なし | あり |
Power Automate Desktopの導入方法
ソフトはあらかじめインストールされていることが多いですが、インストールされていない場合は下記URLからダウンロードしてください。
https://powerautomate.microsoft.com/ja-jp/robotic-process-automation/
弊社では、Power Automate Desktopの導入・運用サービスをご提供しております。新規でのRPA導入や他社RPAの乗り換え、RPAにまつわる業務フローの洗い出しや効率化等、お客様のさまざまなニーズに合わせたご提案をいたします。
Power Automate Desktopの導入事例のご紹介
もともと他のRPAを導入していたが、ライセンス費用が気になったため更新時期にPower Automateにリプレイスを依頼しました。ベースのRPAシナリオと豊富なライブラリがあるため、移行作業もスムーズに完了しました。
(製造業)
グローバル展開する弊社ではクラウドERPを基幹システムで利用しておりますが、セキュリティの関係からなかなかカスタマイズが困難でした。そこで、RPAを利用することでERPに変更を加えることなく定型業務の自動化を図ることができました。
(貿易業)
RPAの導入・リプレイスならびにOracle NetSuiteを始めとするシステムのRPA連携をご検討されている方は、下記フォームよりお問い合わせください。