働き方改革の救世主とも言われているRPA。すでにご存知の方もいれば、最近になって初めて知ったという方もいるのではないでしょうか。RPAはこれまで実現できなかった、異なるソフト間での自動化を手軽に実現できることから注目を集めています。かんたんな事務作業であれば、大半を自動化できることから、人手不足の問題を解決するための手段になると考えられているのです。
そんなRPAの中でも「WinActor」と呼ばれるソリューションが人気であることはご存知でしょうか。ほとんどのRPAが外国製である中、早くから国際RPAツールとして開発され、すでに大企業から中小企業まで多くの実績がある点がすごいところ。この記事では、注目のRPAツールである「WinActor」についてくわしく解説をします。
「RPAツールの選び方」無料ダウンロードもお見逃しなく!
WinActorとは
WindowsPC上で動作し、さまざまな業務を自動化できる先進的な機能を備えています。プログラマーでなくても、誰もが手軽にシナリオ・ロボットの作成ができ、企業の生産性を劇的に高められる可能性があるツールです。すでに国内でも3,500社以上の導入実績を誇り、国内シェアナンバーワンを維持し続けているソリューション。
IT分野では一日の長である、NTTグループ内で開発・利用・改良されて続けてきたRPAツールだけあり、その使い勝手は抜群です。じつは長い開発の歴史を持ちながらも、RPAそのものが注目され始めたのが近年のため、WinActorも最近になって名前を聞かれるようになりました。
純国産RPAだけあって、国内での仕様を前提とした設計であり、完全な日本語対応なのでとても安心です。海外製のRPAであれば、独特のインターフェースや言葉で、慣れるまでにそれなりの時間を要することから、完全な日本語対応であるのは注目すべき点でしょう。
WinActorの歴史
WinActorの歴史は古く、じつはNTTグループで2008年から開発・研究されていました。もともとはNTTグループ内での業務の自動化、サポートのために開発されたツールだとされています。NTTグループでは、基幹システムとして共通のインターフェースを持っていましたが、各地の業務の差を考慮すると最適だとは言えません。たとえば首都圏と九州や北海道などでは、事情がまったく異なるために共通のインターフェースが最適解だとは限らなかったのです。
しかし個別のインターフェースを採用してしまえば、維持や管理を含めて莫大なコストがかかり、非効率化してしまいます。こうした問題を解決するために、運用しているシステムは変えず、各企業で自立して業務効率を高められるツールの開発・研究をスタートしました。当初は社内でも評判は低かったそうですが、総務・経理部署などで利用できることがわかり、日の目を見ることに。一般市場へのニーズを把握したため、2014年よりNTTアドバンステクノロジー社より「WinActor」として販売を開始されました。
海外製のRPAツールと比べても、かなり過去から開発されていたことがわかります。こうした長い開発・研究の歴史により、国内企業の利用シーンにマッチしたRPAツールの開発が生まれたのです。「技術者でなくとも扱えるツール」という設計思想のもとで開発されたことから、ノンプログラマーでも扱えるツールとして評価されています。
WinActorの導入実績
WinActorは長い開発・研究の歴史を持つことから、非常に速い段階からRPAツールとして市場での販売を開始しています。そのため導入実績はかなり多く、NTTグループだけにとどまらず、誰もが名前を聞いたことのある大企業から中小企業、行政までがこぞって採用。導入実績の多さも、WinActorが信頼できる一つのバロメーターだと言えます。
- ナカシャクリエイティブ株式会社
- 株式会社オカムラ
- J.フロントリテイリング株式会社
- 読売テレビ放送株式会社
- 株式会社カネミツ
- 株式会社KSK
- 弥生株式会社
- 楽天損害保険株式会社
- JFEスチール株式会社
- のぼり屋工房株式会社
- 立命館大学
- 新日鉄住金エンジニアリング株式会社
- ヤフー株式会社
- 三井物産株式会社
- 株式会社リンネット
- 東京ガス
- 楽天カード株式会社
- 株式会社パソナ
- 株式会社みずほ銀行
- 三菱商事フィナンシャルサービス株式会社
- 三井不動産レジデンシャルリース株式会社
このような名だたる組織がWinActorを採用し、実際に業務効率が大幅に上がったこと、ミスが減ったこと、業務品質が向上したことを実感したと答えています。WinActorなどの業務系ソリューションの場合、評価は非常に厳しく見られるため、信頼性がなければ採用されることはありません。多くの組織で採用されているのは、WinActorに信頼性があり、コストよりもリターンが大きいことを意味している、と考えてよいでしょう。
WinActorで実現できること
WinActorを導入することで、これまで改善に取り組んだものの、なかなかうまくいかなかったさまざまなことを実現できます。もちろん別の業務効率化ソリューションでも、実現できることはあっても、WinActorほど安価かつ手軽に実現できるものはないでしょう。ここではWinActorで実現できることを3つご紹介します。
生産性の向上
スタッフは大量の作業から解放されることから、本来やらなければならない付加価値を生む仕事に注力できます。その結果として、人数は変えずに付加価値をより多く生むことができ、生産性を大幅に向上できるということです。単純な作業であっても、その料があまりにも多いと、人はいずれただの作業を仕事だと誤って認識し始めます。
しかし企業に求められるのは、より多く付加価値を生み出し、社会に利益をもたらすことのはずです。作業の量を減らし、本来の仕事へ注力してもらうことこそ、生産性を向上させるためには不可欠だと言えます。
コストの低下
スポットで1日くらいの作業なのであれば問題ないのですが、定期的かつ一定量以上の作業があるのなら、それはWinActorに委任した方がよさそうです。なぜならWinActorへ委任することで、人が作業を行うよりもはるかにコストを抑えられるから。作業のためだけに人を増やす必要もなく、リクルーティングのコストも抑えられるでしょう。
業務品質の向上
大量業務の処理では、人は疲労や集中力の低下から、必ず一定以上の割合でミスが発生するものです。ミスが起こるだけならよいのですが、ミスを発見するためのチェック作業や、気づかずにそのままに仕事が進行することで業務品質は低下します。しかしWinActorを導入することで、こうしたミスを極限まで低下できることから業務品質が向上し、社内外での信頼獲得に繋げられることでしょう。
WinActorの得意とする業務
WinActorにはできる業務とできない業務があります。ここではそのうち、WinActorがとくに得意とする業務についてのご紹介です。細かく説明するとかなり多くなってしまうため、ここでは次の3つを解説します。
- 単純業務
- 繰り返し業務
- 大量業務
もちろんこの3つに該当しなくても、WinActorで対応できる業務はありますが、得意とするのはこの3つ。該当する業務があるのなら、積極的に自動化を進めるとよいでしょう。一度でもWinActorの利便性を実感したら、手作業で処理するのがあまりにも非効率に感じるほどです。
単純業務
条件Aの場合の処理と条件Bとの場合の処理が、明確に切り分けできる業務であれば、WinActorで自動化できる可能性はとても高いです。また反対にWinActorで自動化する場合は、かならずマニュアル化しておくことが大切。のちほど説明する「ブラックボックス化」の防止にも不可欠です。できるだけシンプルなタスクの組み合わせでマニュアル化できる業務なら、WinActorが大活躍すること間違いありません。
繰り返し業務
人は何度も同じ作業を繰り返す作業を、あまり得意としません。疲労や集中力が低下することから、ミスも増えてくるなどの問題が生じるからです。それに反対に考えると、繰り返しの単純業務は誰がやっても同じ結果にしかならず、生産的な業務とは言えません。それならWinActorで自動化した方が、全員にメリットがあると思いませんか。繰り返し作業でお悩みならWinActorです。
大量業務
大量の業務は、人がやるのであれば時間をかける以外に処理する手段がありません。とくに複数のソフトウェアを横断した作業の場合、マクロなどではほとんど自動化不可能なため、手作業の時間ばかりが取られて付加価値を生み出せません。
WinActorは人とは違い、ロボットが同一の作業を高速に処理します。設定にもよりますが、人が手作業するよりもはるかに高速に処理できるため、大量の作業もお手のもの。人の手作業では1時間かかる作業でも、WinActorであればものの10分で終わることもしばしば。わずか1時間の作業であっても、年間で節約できる時間の価値は計り知れません。24時間高速で処理し続けられるWinActorは、大量業務の処理にも大活躍します。
WinActorが苦手とする業務
WinActorには、得意な業務がある反面、苦手とする業務も多数あります。どんな業務でも自動化できるわけではないことと、自社の用途にマッチするかを考えておきたいところです。
判断が必要な業務
WinActorは判断を伴う業務を非常に苦手としています。
あくまであらかじめ決められたシナリオの条件分岐に従って処理をするため、イレギュラーが発生すると処理ができず止まってしまうことに。かならずマニュアル化して、自律的な判断が必要ない作業を任せるようにしてください。余談ではありますが、WinActorは現時点で自律的な判断ができませんが、将来的にAI化されることで克服できる展望はあります。大量のデータで学習したAIが、WinActorのシナリオで発生した例外を処理する。こんなRPAができたら、さらに業務の自動化は便利なものになりますね。
プロセスが複雑な業務
また無理をしてシナリオ・ロボットを作成しても、何か修正が必要な場合や仕様の変更があった場合に見直しが大変です。1箇所を修正すると、別の場所に影響するなどの問題が発生する恐れも。こうした問題を解決する手段として、作業を単純なタスク単位に分解し、シナリオ・ロボットをモジュール化するこ方法などがあります。また単純かつ大量の業務の一部だけを自動化し、一部を人の手で処理するなどの運用方法も考えられるでしょう。
フロー変更が頻繁な業務
しかしシナリオ・ロボットの変更に時間が取られるのであれば、作業時間が増えてしまうため本末転倒です。こうしたフローの変更が頻繁に発生する作業の場合も、変更が少ないタスクのみを自動化するなど、工夫をすることで一部は自動化が可能かもしれません。
WinActorを導入するメリット
WinActorを導入すると、主に以下の3つのメリットがあります。
- 低コストで導入可能
- ノンプログラマーでも運用可能
- 大規模なRPA化にも対応
どれも非常に魅力的なメリットですが、中でも抑えておきたいのが「ノンプログラマーでも運用可能」であることです。誰でも手軽に扱えることが、WinActorが最も強みとする点でもあります。
低コストで導入可能
WinActorは「デスクトップ型」と呼ばれるタイプのRPAです。
デスクトップ型の名称の通り、WinActorをインストールするのはPC1台ずつ。つまり最小で1台から利用できるため、低コストで導入できるということです。対して海外製のサーバー型と呼ばれるタイプの場合は、専用サーバーを設置し、大規模で利用することを前提としたもの。導入と運用の両方で多大なコストを必要とするため、「とりあえず試す」といった使い方は現実的ではないでしょう。ですがWinActorであれば、導入も運用も最低限の規模から始められるため、テスト導入や小さく初めて大きくする、といった運用も問題なく可能です。
ノンプログラマーでも運用可能
もちろん何の学習もいらないかといえばそうではありませんが、ほんのわずかな基礎知識と、慣れさえあれば誰でも運用可能だということ。運用に技術者が付きっきりでなければならない従来の業務システムとくらべて、現場で運用・拡大できる仕組みがどれだけ素晴らしいかは明白です。使用に慣れれば慣れるほど、進んで業務を自動化するようになり、ますます業務の効率化が進む仕組みだと言えます。導入に成功したチームが社内にできると、他のチームも影響し、良いサイクルが生み出される雰囲気も醸造されるでしょう。
大規模なRPA化にも対応
WinActorはデスクトップ型のため、PC1台ずつに導入しなければなりません。しかしNTTグループが、グループ内での業務の効率化を目指したソリューションだけあって、大規模な現場での導入にも十分に対応可能。管理ツールも充実しており、デスクトップ型の弱点とも思える集中的な管理にも対応している点が魅力です。小さな成功を積み重ね、徐々に規模を大きくしていく、アーリースモールサクセスな運用を実現します。
WinActorを導入するデメリット
WinActorを導入する際の、デメリットについても解説をしておきます。WinActorを導入すると、よいことばかりではなく弊害もあるものです。これから紹介する3つは、WinActorの導入の際に遭遇しやすいデメリットのため、あらかじめ理解をし、対策もしておきましょう。
反対する社員の抵抗に遭遇する
WinActorの導入時に、必ずと言っていいほど発生するのが一部の社員からの反対・抵抗です。
基本的に人は変化を嫌うもので、効率化を喜ぶよりも、これまでやっていた仕事が変わることに抵抗を示します。またWinActorに自分の仕事を奪われる、と感じる社員は多く、従業員の仕事を奪うものではないことをしっかりと説明しておく必要があるでしょう。実際にWinActorは、仕事を奪うためのツールなどではなく、人がやらなくても良い仕事を任せることで、より生産的な仕事を実現するためのものなのです。
管理が甘いとブラックボックス化する
WinActorを導入時に、ルールやマニュアル化を徹底しないと「ブラックボックス化」が発生します。
ブラックボックス化とは、人が行っていた仕事を自動化する際に、フローを残しておかないことで起こる問題です。WinActorが不調で動作しない、といったトラブルが発生した際に「誰も業務のやり方を知らない」といった事態にてんやわんやすることに。これはWinActorへ委任を行う際に、マニュアル化せず、無作為にシナリオを作成し、担当者が異動や退職することで起こります。かならずルール化とマニュアル化とを忘れないようにしてください。
野良ロボットが出現する
②のデメリットと同様に、管理をしっかりしておかないと「野良ロボット」が発生してしまうことに。野良ロボットは、どのPCに存在するか不明なロボットが、勝手に動作し続けるといった問題を起こします。勝手にメールを送信し続けたり、データを取得する作業でサーバーや回線に不可を与えるなど、トラブルとなりかねません。シナリオ・ロボットを適切に管理し、野良ロボットが発生しない仕組みづくりが求められます。
WinActorの導入までのプロセス
WinActorがどのようなものか理解したら、次に導入までのプロセスについて学んでおきましょう。ほかのRPAツールとくらべて、WinActorはデスクトップ型のためにプロセスもシンプルです。あまり気負わずとも、比較的に導入しやすい業務システムですから、気軽に使えることが魅力だと言えます。なお導入までのプロセスは、依頼をする取扱店にもよるため、一律ではない点にご留意ください。
[sc_blogcard url=”https://www.venture-net.co.jp/rpa/win-actor-5steps-point/”]
デモ・ハンズオン
WinActorがどのようなシステムなのかを理解したら、取扱店へ連絡をしてデモをしてもらいます。ウェブや書籍での情報だけでは、理解するのに限界があるもの。やはり最終的には、自分たちの目で見て、手で触ってみることで理解を深められます。
デモを見ながら説明を聞き、不明点や自社での利用シーンを相談してみるのもよいでしょう。実際に話を聞くことで、より詳細に自社での利用シーンが想像でき、実現の可否についても理解できます。デモが終わったら、テスト用にしばらくRPAを使わせてもらえないかの交渉をしてみましょう。またできるだけ早く、見積もりについてもお願いしておくとよいと思います。ほかのRPAとくらべて、コストがどれくらい違うのかを把握しておくことは大切です。
[sc_blogcard url=”https://www.venture-net.co.jp/winactor-hands-on/”]
契約
デモなどの課程を経て、採用を決めたなら取扱店と契約を進めます。契約を終えたら、取扱店と打合せを始めてキックオフをしましょう。
導入計画の立案・準備
導入計画を立てます。研修を行い、そこからWinActorで自動化する対象業務を選定し、話し合いを重ねて決めましょう。ルールづくりや業務のマニュアル化も同時に進めておくと良いと思います。
本導入
WinActorを導入します。導入自体はPCへのインストールなどだけですから、思っているよりもすんなりと終わるでしょう。あとはシナリオ作成と動作テストを実行し、狙い通りに動作するかを確認してください。
運用
導入が終われば運用のフェーズです。運用していて問題があれば、つねに改善を繰り返し、より効率的に自動化する方法を探りましょう。1業務ずつ自動化を成功させ、少しずつ対象業務を拡大していくと、失敗が少なくて済むはずです。
WinActorのシナリオ作成
WinActorのシナリオ作成で抑えておくポイントです。基本的にトレーナーの指示通りに行えば問題はありませんが、以下の2点を理解しておいてください。
シナリオは導入後も常に改善を繰り返す
シナリオは作ればそれで終わり、というものではありません。うまく動いているようで、実は非効率な動作になっている場合もあるでしょう。ほかにも業務の変更があり、シナリオを修正しなければならない場合もあるはずです。つまり導入後もつねに最適な動作となるように、つねにチェックを心がけ、改善を繰り返すことが重要だと言えます。
複雑な業務も分割することで自動化可能
一見すると複雑で自動化できそうにない業務はたくさんあると思います。そんな時は、業務の動作を書き出してみて、1つの作業単位でタスクとして分解してみてください。すると複雑そうな業務でも、実はシンプルなタスクの組み合わせであるケースは多いもの。分解できる最小単位ごとにシナリオ作成することで、WinActorで自動化できる業務は意外にも多くあるものです。
WinActor導入のポイント
WinActorの導入のポイントを3つご紹介します。
- 社員の協力を得られる努力をする
- 小さな業務からRPA化を推進する
- ルールと管理を明確化する
中での重要なのが、社員の強力を得られる努力をすること。ある程度の反発は必須ではありますが、理解を得られないまま導入してもうまくいきません。導入時に最も気をつけておきたいポイントです。
社員の協力を得られる努力をする
新しい業務システムを導入する場合、社員の反発は必ずと言っていいほど起こります。どれだけ便利になるシステムであっても、人は現状維持を選択する性質を持つものです。またWinActorの導入に「自分たちの仕事を奪われる」という危機感を持つことも原因の一つ。過去には工業分野では、工員たちの仕事の大部分が、安全かつ正確に加工できる機械へと置き換わりました。
しかし今でも工場に、優秀な社員たちは欠かせない存在のままです。同様にWinActorで業務が自動化されても、決して社員たちの業務を奪うものではありません。煩わしく生産性を落とす定形業務をWinActorへ委任し、人でなければこなせない重要な仕事に集中してもらうためのシステムなのです。この旨をしっかりと理解してもらう努力をすることが、導入においてとても大切なポイントだと言えます。
小さな業務からRPA化を推進する
業務システムの導入には、大きなインパクトが求められることが多く、初めから大きな業務の自動化を目標にしてスタートを切るケースは多いです。しかしWinActorで自動化する場合、必ず小さくミスが起こっても影響の少ない業務からスタートさせてください。
初めから大規模な業務を自動化を試みると、ミスが出た場合に取り返しが付かないことも起こりえます。たとえば消してはいけないデータを消してしまったり、漏れてはいけないデータが外に漏れてしまう、などです。WinActorはシナリオ通りにしか動作しないため、シナリオそのものに問題があれば、良し悪しの判断ができないため、そのまま実行します。こうした大トラブルを発生させないためにも、小さな業務の自動化からスタートさせ、徐々に対象範囲を拡大させ、最終的に大規模な業務へ適用するのが理想です。
ルールと管理を明確化する
WinActorを導入する際は、必ず運用ルールと管理の方法を明確化しましょう。たとえばシナリオ・ロボットを作成したら、必ず管理簿へ登録する。シナリオ・ロボットを作成する際は、人が処理する場合の手順をマニュアル化する。こうした管理を明確にしてください。
もし管理面に問題があると、先述のようにWinActorに万が一のトラブルがあった場合に、誰も処理できないといった状況に直面することになります。ほかにもどこで動作しているのかわからない、野良ロボット化してしまうなど、管理コストがかさむことになりかねません。こうしたトラブルを防ぐためには、はっきりとしたルールと管理が不可欠なのです。
WinActorに関する資格
RPA全盛を迎えるとき、WinActorは間違いなく主役となっているはずです。またEXCELなどのOffice製品を使える技能と同様に、WinActorを自在に使える能力は、今後は必ず求められるようになるでしょう。そしてWinActorを使える能力を認定する試験が、すでに存在していることはご存知でしょうか。
それが「RPA技術者検定」と呼ばれる資格で、入門・アソシエイト・エキスパート・プロフェッショナルの4つに分類されます。(プロフェッショナルはまだ未実施)WinActorを使いこなすための知識を認定するための資格で、比較的かんたんに受験できる点が魅力的。WinActorの導入が終わったあとに、担当者の社員に受験してもらうのもよいのではないでしょうか。
今後は一定の業務が、RPAで自動化されるのが当たり前の姿となるため、使いこなせる人材を増やすことはとても大切です。
弊社ではRPA技術者検定エキスパートが在籍しており、お客様の課題に合わせたシナリオ提案を行なっています。
YouTubeにてWinActorの資格解説も行なっていますので是非ご覧ください。
WinActorまとめ
WinActorはNTTグループが開発した、純国産のRPAであり、国内のシェアでは圧倒的なナンバーワンを誇ります。その理由は、国内で作られた業務システムのため、外国製とくらべて使いやすさが違うだけではなく、最小単位で導入できるコスト面での魅力もあるからです。
誰でも手軽に扱えて、しかもさまざまな業務を横断的に自動化できるシステムに、多くの組織がありあまるほどの魅力を感じることでしょう。これからRPAの導入を考えているのなら、WinActorがその筆頭となるのは間違いありません。