多くの企業では、ウェブサイト(ホームページ)をお持ちだと思います。もしかすると、これからウェブサイトの作成を検討している企業の方もいらっしゃるかもしれません。そしてウェブサイトを運営する時に、かならずといってもいいほど登場する「SEO」という用語。
「検索順位を上げて、売上をアップさせるために必要」
「専門の業者にお金を支払って、検索順位を上げてもらうもの」
このような認識を持っている方もきっと多いでしょう。たしかに間違いではありませんが、実はユーザーと企業を結ぶためにとても大切なことで、一般的に考えられている以上に重要で本質的なもの。本稿では、SEOについての基本的な知識について、できる限りわかりやすく解説をします。
SEOとは
SEOとは「Serch Engine Optimization」の略で、日本語に訳すと「検索エンジン最適化」です。つまりGoogleのYahoo、Bingなどの検索エンジンサービスに、最適なウェブサイトを作るということ。
ですが一般的には、検索エンジン最適化をすることで、検索順位を上げることを指し、このような施策は正式には「SEO対策」とも呼ばれます。なんだか難しそうに聞こえていた「SEO」という言葉も、意味や目的は意外とシンプルですね。ただしSEOの目的はシンプルでも、実際に検索順位の上位を狙うためには、さまざまな要素があり、とても複雑なもの。
まずはSEOを行うことのメリットについて知っておきましょう。
SEOで検索上位に表示されるメリット
SEOで検索結果の上位に表示されると、つぎのよなメリットがあります。
- 上位サイトほどクリックされる
- 成果に結びつきやすい
- ユーザーとの距離が近くなる
どれもウェブサイトを運営するうえで、欠かせない大切なことです。とくにこれからウェブサイトに力を入れて、継続して運営していくつもりであれば、上位表示される高い集客効果について知っておきましょう。それでは1つ1つを細かくみていきましょう。
上位サイトほどクリックされる
ほとんどの人は、毎日かならず一度は検索という行為をするのではないでしょうか。そしてあなたが検索をした時に、どのサイトをクリックするかというと、大半の人が1位にいるサイトです。ではどれくらいの人がクリックするのでしょうか。
Google社が2017年に発表しているデータはつぎの通りです。
1位 | 21.12% |
2位 | 10.65% |
3位 | 7.57% |
4位 | 4.66% |
5位 | 3.42% |
6位 | 2.56% |
7位 | 2.69% |
8位 | 1.74% |
9位 | 1.74% |
10位 | 1.64% |
1位と2位の間で、2倍以上の開きがあります。
1位のサイトをクリックしない理由としては、記事タイトルやサイトの説明文(メタディスクリプション)を読み、自分の知りたい内容からズレているからだと考えられます。ほかにも検索はするものの、実際にはアクセスしたいサイトが明確に決まっていて、実質的に指名検索をしている可能性もあるでしょう。このような特殊な例はさておき、Google社が公表しているデータからも、上位表示するほどアクセスが集まりやすいのは明白です。
成果に結びつきやすい
検索エンジンで上位表示されてアクセスが集まると、当然自社のウェブサイトにたくさんのユーザーが訪れるようになるでしょう。
そしてそこにユーザーの悩みを解決できる提案や物があれば、購買に結びつくために成果が上がります。それも上位表示されるキーワード次第では、その集客力と販売力は想像を超えるほどとなるでしょう。なぜなら人が集まり、購買意欲の高いキーワードで上位表示されることは、まるで銀座や新宿の一等地でサービスを売るようなものだからです。
もちろんそのようなキーワードは、だれもが狙っていることから、実現することや安定させることは、かなり大変ではありますが、それだけの価値はかならずあります。
ユーザーとの距離が近くなる
さまざなキーワードで上位表示されると、それだけユーザーの目に留まる機会が増えるということ。人には単純接触効果という原則があり、何度も目に触れるだけでも、自然と親近感や信頼を持つようになります。
それはウェブサイトであっても同じこと。
ユーザーのためになるコンテンツを作り、検索結果の上位に表示され、いつもユーザーの目に触れられるようになれば、いつしか指名で検索されることになるかもしれません。また同じサービスを購入する場合でも、いつも見ている安心しているウェブサイトから購入する確率は高まるでしょう。このような認知されるための活動は、過去にはテレビや紙媒体の広告が中心でしたが、近年ではウェブサイトによるプロモーションの方が効率的でコストも低いといえます。
SEOが必要な理由
SEOが必要なのは、検索エンジン経由で表示されないウェブサイトは、存在していないのと同じだからです。
どれだけよいウェブサイトを作成したとしても、ユーザーがたどり着けなければ意味がありません。そしてそのためには、SEO対策が必要不可欠なのです。
検索なしではインターネットは成り立たない
日本国内でのインターネット普及率は、なんと80%を超えており、つまり100人のうち80人以上が検索エンジンを利用しているということ。
「本当にそんなに誰もが検索しているの?」
と感じる方もいるかもしれません。ですが、インターネットは現時点では検索なしに成り立りたたないのです。たとえば日本で最も利用されている、ポータルサイトのYahoo!Japanも検索エンジン。Yahoo!の中ですべてが完結することはないですから、知りたいことを調べるときには、かならず検索することになるでしょう。
露出するほど顧客は増える
どのようなビジネスであっても、露出は多いほど有利です。そしてインターネットで上位表示されたのであれば、ほかのチャネルでは考えられないほど低コストで、たくさんの顧客と接点を持てるということ。そのため今後のビジネスでは、インターネットを使ったマーケティングは、欠かせないものとなるでしょう。SEOによるマーケティングは、これまでのビジネスでも重要視されていましたが、今後はさらに重要な集客チャネルとなるはずです。
SEOではなく広告ではなぜだめなのか?
検索結果を見てみると、上位の表示の前にかならず広告が出ているのがわかります。このような広告を利用して、露出を増やすのもひとつの集客方法です。
ですが検索ユーザーは年々学習しており、広告は広告とはっきり認識し、あえてクリックを避ける行動を取ります。そのためよほど強力なベネフィットを提供したり、興味を引くような対策をしなければ、集客には発揮できない恐れが高いです。
また、費用対効果の側面もあります。例えばですが、クリック単価などの競争が起こると1クリックあたりの単価が上昇してしまいます。一般的な企業が大企業と広告費で消耗戦をすることは不可能です。それに比べSEO対策が行われる検索エンジンは、多少の優遇などはあれど、あくまで対等なスタートが切れます。さらにクリック率も高いとなれば、SEOは相応の費用対効果の上昇が見込めると思われます。
SEOで上位表示することだけを目的にしない
検索で上位表示させるのは、売上に直結するためとても大切なことです。ですが正確にいい表すのであれば、上位表示させるキーワード次第だともいえます。ビジネスに関係のないキーワードや、売上に結びつかないキーワードで上位表示させても、売上は上がらないのです。
つまり購入や申込みなどに直結するキーワードで、上位表示させることを考えなければなりません。SEOをはじめると、どうしても「上位表示させること」そのものが目的になりやすいのですが、本来は売上を上げることが目的のはず。SEOはその目的を達成するためのひとつの手段であり、つねに結果を出すために考え続ける必要があるのです。