顧客に満足してもらうウェブサイトを作るためには、ペルソナの設定が欠かせません。ペルソナとは、架空の顧客像を明確にした人格のことで、優れたウェブサイトの製作には欠かせないもの。ウェブマーケティングの世界では、必要不可欠の考え方・手法なのです。(さらにペルソナの意味を知りたい方は「ペルソナとは」をご参照下さい。)
ですがペルソナという考え方を、はじめて聞いたという方もきっと多いはず。本稿ではウェブサイトに訪れる架空の顧客である、ペルソナについての考え方と活用方法について解説をします。
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顧客像を浮き彫りにしたペルソナを設定する
ペルソナはウェブサイトに訪れる、架空ですが具体的な人物像のことです。
- 名前
- 性別
- 年齢
- 家族構成
- 職業
- 居住地域(市町村程度まで)
- 趣味趣向
- 行動パターン
- 好きなもの
- 苦手なもの
- 悩み
- 願望
とても細かいように感じますが、これくらい具体的でなければ「心に刺さる」コンテンツ製作ができないのです。もちろんあまりにも現実からかけ離れた人物像だと意味がないため、実在していそうなレベルの人物を設定します。ペルソナには、友人や知り合いなどを当てはめてみることもよく取られる手法です。
顧客層では曖昧過ぎる
一般的なマーケッティングでは、「セグメント」や「顧客層」を設定することはあっても、具体的な「顧客像」までは設定しないことが多いです。
ですが、ウェブマーケティングの場合、疑問や悩みを解決していくコンテンツを製作する必要があるため、具体的な顧客像が必要とされます。
リアルな顧客像を作りあげる
顧客像はざっくりしたものでは不十分で、実際に運営サイトに訪れていそうな、リアルなイメージを持つことが大切。その人物の顔やしゃべっている姿まで、イメージできるのであれば最高です。また1つでは不十分なため、数パターンのペルソナを設定していると、コンテンツ製作で迷うこともないでしょう。
設定したペルソナならどう考えるか
なぜここまで具体的なペルソナが必要なのかというと、疑問や悩みを解決するコンテンツを製作するためには、リアルで具体的な悩みを考える必要があるからです。
たとえば「ニキビに悩んでいる」という人がいるとします。このニキビに悩んでいる人向けに、疑問・悩みを解決するコンテンツを作成しなければならないとしましょう。するといかがでしょうか。きっと悩みがざっくりし過ぎて、コンテンツが作れないはずです。女性なのか男性なのか、何歳なのか、ニキビに悩んでいる部位はどこなのか、といった情報がまったくありません。
そのため仮にコンテンツを作っても、とてもふんわりした、ありきたりな一般論で終わってしまうはず。そのような一般論が書かれたコンテンツに、訪問してくれた顧客は満足するでしょうか。おそらくほとんどの顧客は満足できず、新たに浮かんだ疑問を解決するために、静かに検索結果に戻り、おそらくほかのウェブサイトへと移動するはずです。
部位や性別、年齢によっても、ニキビの悩みはまったく違うのは明白ですよね。
だからこそペルソナを軸にして、彼らがどのようなことに悩み、どうしたら満足してくれるのかを考え抜く必要があります。
特定の一人に向けたコンテンツは深い共感を呼ぶ
ペルソナを設定し、特定の一人に向けたコンテンツは、多くの人の深い共感を呼びます。
おそらくペルソナについてはじめて知った方は、対象を絞ることで顧客を限定してしまうことに対して不安を感じるのではないでしょうか。ですが特定の一人に対して、その悩みや疑問に応えるコンテンツを作ることで、よりたくさんの顧客の心に響くのです。
ペルソナへ向けた具体的なコンテンツほど、それ以外の顧客層にまで共感してもらえるのが興味深いところ。具体的な悩みを解決できるコンテンツほど、自分に置き換えてリアルな想像ができるため、結果的に多くの人に満足してもらえるのです。
大多数に向けたコンテンツはだれにも響かない
はじめてウェブサイトのコンテンツ製作に取り組む場合に、多くの担当者が失敗するのが、大多数の「顧客層」を対象にしてしまうことです。
顧客層にしてしまうと、絞り込める対象がざっくりし過ぎてしまいます。性別や年齢、職業だけではなく、よくネットで買い物をするのか、どれくらいリテラシーがあるのかなどによっても、思考パターンがガラッと変わりますよね。そのためできるだけ多くの顧客を取り込むために、「顧客層」全体に向けたコンテンツを作ると、結局だれの心にも響かないものになってしまうのです。
複数のペルソナを設定。検索意図を考慮
狙うキーワードによっては、メインに設定しているペルソナと矛盾するケースもあるかもしれません。
そのような場合は、対象を抽象化するのではなく、個別にキーワードに対する悩みを解決するためのペルソナを新たに設定します。こうしてメインのコンテンツとズレてしまうキーワードに対しては、個別にペルソナを設定することでカバーできるでしょう。だれもが最初に感じる、ペルソナを限定することで対象の顧客が減るという不安も、複数のペルソナを設定することで解決できます。
むしろたくさんの顧客を呼び込むために必要なのは、抽象化ではなく、じつは具体化なのです。
検索意図を深く考える
ペルソナが設定できたら、つぎに考えるのは「検索意図」です。
人が検索する理由は、すべてが疑問の解決であり、知りたいことがあるから検索をします。つまりウェブサイトのコンテンツを製作する際に、つぎのことを深く考える必要があるということ。
「検索ユーザーは、なぜこのキーワードを検索したのか」
「検索ユーザーは、どんな悩みを持っているのか」
「検索ユーザーは、何を知りたいのか」
検索意図にマッチしたコンテンツは、ユーザーから高い評価を得られます。
検索意図の精度を高めるために
検索意図を考えるためには、ペルソナを当てはめてみるのが一番です。また実際にターゲットにしているキーワードで検索してみることも大切。検索結果を1位から10位まで眺めてみると、ユーザーの悩みや知りたいことが、おおまかに把握できるでしょう。なぜなら検索上位にいるサイトは、少なくともその時点で検索意図に近いコンテンツのため、評価されているからです。
検索意図からズレると上位表示されない
ほかのサイトとの差別化はとても重要ですが、検索意図からズレると検索ユーザーと検索エンジンの両方から評価されません。
少なくとも2019年の初頭の時点では、検索意図からズレたコンテンツが上位に入る可能性はゼロに近いです。そのため必然的に上位のサイトに似たコンテンツになりやすいですが、それでも差別化できる方法はたくさんあります。あくまで検索意図に合わせて、検索ユーザーの気持ちに寄り添うコンテンツが必要です。
ペルソナが使う言葉を選び、ペルソナの悩みに寄り添うコンテンツ
キーワードを選ぶときには、ペルソナが普段から使っている言葉を選びます。たとえばここ数年で売上が伸びているカメラに「ミラーレス」がありますよね。ミラーレスは正式には「ミラーレス一眼カメラ」といいますが、フルネームで呼んでいる人はまずいないはずです。そのため正式名称だからと「ミラーレス一眼カメラ」のキーワードを狙ったコンテンツを作成するよりも、「ミラーレス」のキーワードを狙う方がペルソナにマッチします。
検索ユーザーは普段から使っている言葉で検索し、その言葉に反応するので、先ほどのカメラなら「ミラーレス」のキーワードを選ぶのが正解です。
そして、検索ユーザーに満足してもらうウェブサイトには、共感をしてもらえるコンテンツが必要です。そしてそのためには、具体的な人物像を設定するペルソナを活用します。
ペルソナが持つ悩みや考え方、行動パターンなどから、どのような疑問を解決したら満足するのかを考えてコンテンツを製作するのです。またペルソナが特定のキーワードを検索するときの、検索意図や使っている言葉を考えることも欠かせません。そうしてペルソナの疑問や悩みを100%解決できるコンテンツができあがると、かならず多くの顧客層の心に共感を得られるはず。
たくさんのユーザーを囲い込もうとせずに、まずは一人の深い悩みを持つ人物に対して、誠実に向き合うことからはじめましょう。