記事を作成するときは、文章を書くだけではなく、検索エンジンへ文章の意味を正しく伝えるために、HTMLタグを用いましょう。タイトルタグだけではなく、見出しタグや段落に関するタグなど、さまざまなHTMLタグがあります。
HTMLのタグには、すべて理由と正しい使い方があり、誤用するとユーザビリティを下げる原因になるだけではなく、検索エンジンに適切に評価してもらえない恐れも。
最近ではあまり目的から外れた使い方をされるケースは減りましたが、今でも誤用しているウェブサイトは残っています。一度コンテンツをつくってしまうと、間違ったHTMLタグを見つけて修正するのは大変ですから、はじめから正しく設定しておくのが理想です。本稿ではこのようなHTMLタグの重要性から、正しい使い方までを解説します。
HTMLタグを正しく使う重要性
そもそもウェブサイトとは、HTMLタグで書かれた文章の集まりです。ただ書いただけのテキストだけでは、機械はタイトルや見出しを読み取れません。そのため「これが記事タイトルです」「これが大見出しです」「これは小見出しです」「ここは重要なので強調しています」と伝えてあげるのがHTMLタグなのです。
ウェブブラウザは、HTMLに書かれたコードをもとに表示し、検索エンジンもHTMLを読むことでサイトの構造を判断します。つまりHTMLを正しく使わなければ、正しいウェブサイトとして成り立たちません。ウェブブラウザや検索エンジンに、正しい構造を伝えるために、適切なHTMLタグを設定しましょう。
正しくタイトルを設定する
タイトルにはtitleタグを使用します。記事のタイトルは、SEOの中でもとくに大切なもの。そのためタイトル設定は、興味を持たせて読みたくなるものでなければなりません。またつぎのような3つのポイントに注意しましょう。
ターゲットキーワードを最初に用いる
「みかん」を狙ったキーワードにするのであれば、できるだけ「みかんの味」「みかんの生産地」からはじまるタイトルにするなど、前半に用いましょう。ユーザーにも伝えたいことが分かりやすく、また検索エンジンもタイトルの前半のキーワードを評価しやすい傾向があります。
もちろん不自然にならないように、臨機応変な設定は必要ですが、できるだけキーワードはタイトルの先頭付近に用いてください。
タイトルは32文字以内に抑える
タイトルはできるだけ32文字以内に抑えるようにします。なぜならGoogleの検索結果で表示できるのが32文字までだからです。そのためあまりにも長いタイトルは、表示しきれない部分が「…」と省略されます。これではユーザーに伝えるべきことが伝わらないため、32文字に収まるタイトルを考えましょう。また超過した部分は、表示されないだけでなく、評価もされないとの考えられています。
一見すると制約があり不便に感じますが、限られた範囲で考えるからこそ、秀逸なタイトルが生まれるものです。
タイトルで記事の内容がひと目で分かるよう心がける
ユーザーが興味を引き、思わず読みたいとクリックされるようなタイトル設定をしましょう。そのためには、ひと目で記事の内容を伝えられるタイトルが理想です。「みかんの生産量」よりも「この県が日本一!みかんの生産量が多い県トップ10」の方が目を引きますよね。魅力的なタイトルにすることで、上位にあるサイトよりもクリックしてもらえるチャンスも増えます。
タイトルタグはとても大切
タイトルタグの正しい設定は、SEOの中でももっとも大切な要素のひとつです。記事は秀逸でも、なかなか検索順位が上がらない場合に、記事タイトルを見直しただけで、さらっと上位に上がることもあるほど。それほどGoogleはタイトルタグを重要視していることから、タイトルを考えるために、長い時間をかける価値はじゅうぶんにあります。
正しく見出しを設定する
記事タイトルができたら、つぎに見出しの設定が必要です。また見出しはユーザーと検索エンジンが、記事の内容全体を把握するためにも、とても重要な役割があります。本当によい記事では、見出しが並んだもくじを見るだけで、その記事に書かれてる大枠の内容が分かるもの。ユーザーと検索エンジンの両方に、適切に記事内容を伝えるために、正しい階層で効果的な見出し設定をしてください。
正しく見出しを使う
HTMLでの見出しはh1からh6までが利用できますが、一般的にはh1からh3までをメインに使います。またh3でどうしても、細かい解説が必要な場合にはh4まで使われることがありますが、h5やh6が使われることはほとんどありません。大見出しはh1、中見出しはh1、小見出しはh3と覚えておくとよいでしょう。また見出しを設定するうえで、大切なことが2つあります。
トピックを分かりやすく要約する
1つめはなるべく自然な形でキーワードを入れて、その見出しのトピックを要約することです。たとえば、みかんの味に関わるトピックを書くのであれば、見出しは「品種によるみかんの味の違い」のように、分かりやすくキーワードを含めます。
見出しを読むだけで、その記事で書かれている内容の大枠が分かるのが理想です。
階層を正しく使う
2つめは見出しの階層を正しく使うことです。たとえば中見出しのh2のトピックの中に、急にh4がくるのは階層としておかしくなってしまいます。あくまでh1・h2・h3・h4・h5・h6の階層を守らなければなりません。よくあるのが「デザイン上の都合」ですが、好みのデザインに変えるのであれば、見出しを変則的に使うのではなく、デザインを一括で管理するCSSで調整しましょう。
また「太字にしたい」など、見出し以外の用途でhタグを使うのもNGなので気をつけましょう。正しく段落タグ・引用タグ・強調タグなどを使うタイトルタグとhタグ以外にも、多くのHTMLタグが存在します。段落タグ・引用タグ・強調タグなどが代表的です。
段落タグは文章のまとまりと段落を示すタグ
引用タグは他サイトから引用した文章を示すタグで、引用タグを使わないとコピーコンテンツ扱いされてしまう恐れがあります。強調タグは重要な言葉や文章を強調するタグで、太字で表示されるタグです。ほかにもリストタグなど、意味のあるHTMLタグは無数にあるため、用途に合わせて利用します。また本文中に利用するこれらのタグも、ルールに合わせて正しく使うことが大原則です。
装飾のためにHTMLタグを使わない
何よりも大切なのは、装飾を目的としてHTMLタグを使わないことです。HTMLタグは、あくまで文章の構造をウェブブラウザや検索エンジンに伝えるためのタグ。そのため文章やコンテンツを装飾をしたいのであれば、HTMLタグではなく、CSSを使って調節します。
CSSで調節すると、正しいHTML構造を保ったまま、見た目だけを好みに変えられるのです。HTMLの誤用は検索エンジンの評価の低下を招く繰り返しになりますが、HTMLタグは正しく使わなければなりません。
その理由はHTMLを誤って使うことで、検索エンジンに正しく評価してもらえなくなるからです。どれだけよいコンテンツを作成したつもりでも、それを正しく検索エンジンに伝え、評価してもらえなければ意味がありません。「SEO対策」の基本は「検索エンジンにサイトのコンテンツを正しく理解してもらうこと」なのです。