E-A-Tは、Webコンテンツで集客を検討している企業が必ず知っておくべき用語の1つです。SEO対策として幅広い情報が網羅されている記事を作成しても、E-A-Tの評価が低いと上位表示することはできません。ここでは、SEO対策におけるE-A-Tの重要性、E-A-Tを構成する3つの要素、検索順位への影響、評価を高める具体的な方法などについて詳しくご紹介します。
E-A-Tとは
E-A-Tを構成するのは、次の3つです。
- Expertise(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trustworthiness(信頼性)
それぞれ、具体的に見ていきましょう。
Expertise(専門性)
E-A-TにおけるExpertise(専門性)とは、サイトとコンテンツがどれだけ専門分野に特化しているかを指します。例えば、「インテリア雑貨を販売しているECサイト」と「インテリア雑貨の中でも北欧雑貨に特化したECサイト」がある場合、後者の方が専門性が高いと言えます。
ただし、専門性が高いと評価されるのは、ユーザーが「北欧雑貨」「北欧インテリア」といったキーワードで検索された場合に限ります。ユーザーが「インテリア 通販」といった網羅的なキーワードで検索した場合は、インテリア雑貨をジャンルレスで大量に販売しているECサイトの方が専門性が高くなるでしょう。
また、コンテンツ数も専門性に影響を及ぼします。ジャンルに特化していても、コンテンツ数が少ないうちは専門性が高いサイトだとは評価されません。
Authoritativeness(権威性)
E-A-TにおけるAuthoritativeness(権威性)とは、サイトやコンテンツの内容に権威があるかどうかを指します。例えば、感染症に言及する場合、医療とは無関係の仕事をしている人物よりも、医師や看護師、薬剤師など医療従事者の方が権威性があると言えます。
また、マーケティング系のキーワードにおいては、個人ブログの運営者よりもマーケティング会社の代表、部長、課長などの方が権威性があるでしょう。このように、誰がコンテンツやサイトを作成しているのかが重視されています。ただし、肩書や経験、実績なども影響を及ぼすため、権威性のある資格を取得したばかりの人がコンテンツを作成しても、権威性が高いとは判断されない可能性があります。
Trustworthiness(信頼性)
E-A-TにおけるTrustworthiness(信頼性)とは、サイトとコンテンツ、及び運営者の信頼性を指します。例えば、ITツールを褒める内容やメリットなどを細かく記載しているのに、著者がそのITツールを使用したことがない場合、信頼性が高いとは言えません。
また、「○○という口コミが多く見られました」と書くのではなく、実際のレビューを引用した方が信頼性が高いと言えます。Googleにレビューが創作かどうかを判断する機能はないと考えられていますが、嘘のレビューはユーザーからの通報が入るリスクもあるので注意が必要です。
また、著者名をイニシャルで表示したり、実在しない会社名を名乗ったりした場合は、信頼性に悪影響が及ぶ恐れがあります。
SEO対策においてE-A-Tが重視されている理由
従来のGoogleの検索エンジンでは、SEO対策においてE-A-Tはそれほど重視されていませんでした。コンテンツの充実度やサイトのコンテンツ数などが主な評価基準となっていたことで、信頼性が低いコンテンツが上位表示されていたのです。コンテンツの信頼性を見極めることが困難であるうえに、不正に取得した大量の被リンクを持つサイトが上位表示されていたのが実情でした。
そこで、E-A-Tを強化するアップデートが繰り返され、今の状況に至ります。コンテンツ数やドメインを開設してからの期間などが評価基準の1つである点は今も変わりません。しかしながら、以前よりも信頼性が高いサイト・コンテンツが上位表示されるようになっており、健全な状況と言えるでしょう。
権威性や専門性が高いものの内容が薄いコンテンツが上位表示されるケースもあるので、今後のアップデートで改善されることを期待したいところです。
E-A-Tの検索順位への影響
実際に、E-A-Tが強化された後の検索順位を見ていきましょう。こちらは、「頭痛」で検索したときの検索結果です。1位と2位は大手製薬会社のオウンドメディア、3位は大規模な病院のサイトのコンテンツです。このように、製薬会社や病院の中でも信頼性が高いと思われる会社のコンテンツが優先的に表示されます。
他のページの内容と見比べましたが、コンテンツの質に大きな差はありませんでした。だからこそ、権威性の優れたコンテンツが優先的に表示されているのでしょう。
Expertise(専門性)を高める方法
専門性の高いコンテンツを作成する
検索ニーズに基づいて、情報を深く掘り下げることで専門性が高いコンテンツになります。また、専門性が高いサイトを作るために、同ジャンルのコンテンツを投稿するのも有効です。例えば、ITツールの紹介に特化したサイトであれば、ITツール以外のコンテンツを投稿しないことで専門性が高まります。
1記事や2記事だけ別ジャンルのコンテンツを投稿しても、すぐさま専門性が低いと判断されることはないでしょう。しかしながら、別ジェンルのコンテンツはユーザーにとってノイズであり、運営者にとってもメリットがありません。そのため、サイトの方向性や投稿するジャンルを決めたら、よほどのことがない限りは変更しないことが大切です。
具体例
医療の専門性が高いコンテンツを作成する場合、難しい内容をわかりやすくかみ砕いて解説することが求められます。厚生労働省を始めとした専門性・信頼性が高いサイトの掲載情報を参考にしつつ、内容を十分に掘り下げたコンテンツを作成することが重要です。
例えば、とある病気のキーワードであれば、症状・原因・検査方法・治療法・予防法・セルフケアなどの情報を掘り下げます。なお、2022年の時点で医療系キーワードは病院やクリニックなどのサイトが優先的に上位表示されるため、コンテンツのドメインや監修者の信頼性などには十分に注意が必要です。
IT系キーワードにおいては、ITの中でも特定のジャンルに特化したサイトの方が専門性が高いと判断されやすいでしょう。例えば、ITツールの中でもCRMやSFA、働き方改革に役立つツール情報に特化しているサイトがあります。このようなサイトがIT繋がりで医療機器やロボットなどの記事を投稿しても、専門性が高いとは判断されません。
専門家が執筆・監修する
専門家が執筆することで、専門性が高いコンテンツを作成できます。同時に権威性も高まるため、E-A-Tの評価を高めるのに有効な手段と言えます。ただ、専門家が必ずしも文章作成ができるとは限りません。そのため、専門家の監修を入れるのがおすすめです。
監修であれば、文章力が高くなくても専門性が高いコンテンツに仕上げることができるでしょう。
具体例
ジャンル別に監修者に相応しい有資格者をご紹介します。
ジャンル | 監修者 |
医療 | ・医師 ・歯科医師 ・看護師 ・柔道整復師 ・臨床工学技士 など |
IT | ・IT企業の担当者 ・IT関連資格保有者 など |
転職 | ・キャリアアドバイザー ・人事担当者 など |
法律 | ・弁護士 ・弁理士 など |
保険 | ・ファイナンシャルプランナー ・CFP など |
コンサルティング | ・コンサルタント ・中小企業診断士 など |
M&A | ・M&Aアドバイザー |
恋愛・結婚 | ・結婚相談所のアドバイザー ・ウェディングプランナー など |
自社メディアを作る場合、自社の担当者が監修することで専門性と権威性を高めることができます。また、別で監修依頼をするよりもコストを抑えられるでしょう。
専門家へのインタビューを盛り込む
情報記事の中に専門家へのインタビューを盛り込むのもおすすめです。専門家へのインタビューとその回答を盛り込むことで記事の専門性と信頼性が増します。また、ユーザーが求める深い情報を掲載することも可能になるため、SNSでシェアされやすくなります。
具体例
ITツールのメリットを解説する記事に、専門家からのコメントを入れることで信頼性と権威性、専門性のすべてを高めることができます。マニュアルには掲載されていない使い方のポイントを記載、専門家視点で使いやすいツールを解説といった方法があります。
体験談を取り入れる
体験談は、世界に1つだけの情報のため、専門性が高いコンテンツと判断されます。例えば、ITツールを実際に使ってわかったメリットとデメリット、実際に起きたトラブル、売上や従業員満足度の変化などに言及できれば、高品質なコンテンツと見なされるでしょう。
具体例
体験談はネット上で募集したり取引先にインタビューしたりする方法があります。また、Twitterで口コミを検索して、引用するのも有効です。ただし、無断転載禁止のサイトからの引用は避けなければなりません。体験談は一次情報であり、他のサイトに同じ情報はありません。Googleは、同じ情報が掲載されているサイトを上位表示させることを避けるため、体験談を入れることは重要です。
サイト全体の専門性を高める
サイト全体の専門性を高めることで、全体的に検索順位が上がりやすくなります。不要なコンテンツや多ジャンルのコンテンツは、専門性が低下するためおすすめできません。不要なコンテンツを削除することでサイト評価が高まり、検索順位が底上げされた事例はいくつもあります。
具体例
IT企業の場合、次のようなコンテンツを入れるとよいでしょう。
- ○○とは?系の情報網羅記事
- 専門家へのインタビュー記事
- SNSへのリンク
- サイト監修者名
- 企業情報
- 事業内容
- プライバシーポリシー
- 利用規約
- 自社製品のhow to記事
権威性(Authoritativeness)を高める方法
企業名や著者名を掲載する
権威性で最も重要なのは、誰がサイト・コンテンツを作成しているかです。メディアの運営者となる企業の名称や所在地、資本金額、従業員数など、さまざまな情報を掲載しましょう。また、著者に関しては、権威性が高まると考えられる情報を入れるのがおすすめです。
例えば、過去に数々の賞をとっている、実績が豊富、歴が長いといった情報があります。知名度が高い会社や著者であれば、それだけ権威性が高く評価されます。
具体例
コンテンツの最下部に監修者情報を表示させます。Googleは、監修者の知名度や経歴、SNS関連まで注目しています。そのため、Twitterのフォロワー数が多い人物が監修することでコンテンツの評価が高まります。また、保有資格や経歴などを端的かつわかりやすく記載することが重要です。例えば、次のようなプロフィールを作成します。
監修者:加藤 太郎 キャリアアドバイザー
歴10年のキャリアアドバイザー。キャリアの棚卸しを通じて相談者の魅力を見つけ出し、相性が良い企業を紹介している。紹介先企業での3年離職率は脅威の2%。転職希望者と企業の両方が幸せになれるマッチングを心がけている。SNSでは転職事情の情報を発信し、フォロワー数は5万人。
上記のようなプロフィールを作成しましょう。SNSのリンクボタンも掲載するのが有効です。
良質な被リンクを増やす
権威性を上げるには、すでに権威があるサイトから評価されることも一つの方法です。
他サイトからリンクを貼られることを「被リンク」といいます。被リンクは、そのサイトから認められた意味合いがあるため、権威性のあるサイトからの被リンクはGoogle評価に有利に働きます。
被リンクを増やすには、有益なコンテンツを作成し、評価される必要があります。それだけではなく、リンクしても問題がない信頼性が高いサイトであることを示さなければなりません。
具体例
良質なサイトの被リンクを増やすには、世間に影響を及ぼすほどに良いコンテンツを作る必要があります。そのようなコンテンツはSNSやニュースサイトで広くシェアされるため、良質なサイトの運営者に届きます。時事ネタ、専門家でなければ解説できないコンテンツ、インタビュー記事など、独自性と希少性が高いコンテンツを作成しましょう。
SNSで話題に挙がるようにする
被リンクが増えなくても、サイテーションを獲得することで権威性は高まります。
サイテーションとは、ネットやSNS上で個人名、企業名、店舗名、サイト名などを他者から言及されることです。他者のブログやSNSで「〇〇さんの情報が参考になるよ」「〇〇さんのサイトは要チェックだよ」と言われることで権威性につながります。
他者が紹介したくなる有益な情報を届けましょう。
具体例
SNSでは多様な情報が広くシェアされており、その中には信頼性が低い情報もあります。だからこそ、専門性や信頼性が高いコンテンツは多くのユーザーに言及され、同時に被リンクを獲得しやすくなります。例えば、新登場のITツールの便利なところをわかりやすく解説したコンテンツを作成すれば、「○○ならこの記事がわかりやすいよ」などと言及され、サイテーションが高まります。
信頼性(Trustworthiness)を高める方法
掲載情報をアップデートする
信頼性を高めるには、掲載情報を随時アップデートする必要があります。例えば、2020年の確定申告の情報を記載しているコンテンツは、2021年には過去のデータを掲載している品質が低いコンテンツと見なされます。そのため、2021年度の確定申告の情報を掲載しているコンテンツが優先的に表示されます。
このように、情報の種類によっては定期的に更新することが求められます。
サイトのポリシーを掲載する
サイトのポリシーがE-A-Tに及ぼす効果については賛否両論があります。優先順位は低くて問題ありませんが、少しでも良い影響を与える可能性がある場合は早めに掲載すべきでしょう。どのような方向性でサイトを運営しているのかを記載し、運営元の情報もあわせて公開します。
信頼性が高いサイトの情報を引用する
政府関連や自治体関連など、信頼性が高いサイトの情報を引用することも信頼性を高めます。例えば、新型コロナウイルス感染症の情報であれば、厚生労働省やWHO、政府のお金関連の施策については経済産業省や財務省などから引用しましょう。
信頼性が低いサイトの情報を引用すると、そのコンテンツ信頼性が低くなる恐れがあるため、引用先は慎重に選定することが大切です。
まとめ:E-A-Tを追求して集客効果を高めましょう
E-A-Tに優れたサイト・コンテンツは上位表示されやすくなっています。この流れは今後も変わることはないでしょう。専門性と権威性、信頼性を少しでも高めつつ、ユーザーの役に立つコンテンツを作成することで、より多くの集客が見込めます。
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