サーチコンソールインサイト(Search Console Insights)は、ホームページや運営メディアなど、分析対象のアクセス数や流入経路などを分析できるツールです。7つの指標を一覧で確認できる便利なツールですが、分析方法を身に付けなければメリットを享受することはできません。
そこで今回は、株式会社ベンチャーネットがサーチコンソールインサイトを用いて自社運営メディアの分析方法と活用方法をご紹介します。
サーチコンソールインサイトで確認できること
サーチコンソールインサイトでは、全部で7つの項目を分析できます。
名称 | 確認できること |
---|---|
サイトの概要 | 過去28日間の「ページビュー」と「平均ページビュー時間」 |
新しいコンテンツ | 過去28日間で作成したコンテンツ |
最も人気のコンテンツ | 過去28日間のページビューと平均滞在時間から割り出した最も人気のコンテンツ |
サイトへのアクセス経路 | サイトへの流入経路の種類及びユーザー数と平均滞在時間 |
Google検索 | Google検索経由で流入したユーザー数、平均滞在時間、クエリなど |
他のサイトからの参照リンク | 外部リンクからの流入数や滞在時間 |
ソーシャルメディア | SNSからのアクセス数や滞在時間 |
上記それぞれを確認することで、現在のホームページや運営メディアなどの状況がわかります。しかし、サーチコンソールインサイトは単なる現状把握のためのツールではありません。ユーザー体験の向上につなげるためのツールです。
【実例】サーチコンソールインサイトの各項目の分析方法
サーチコンソールインサイトをユーザー体験の向上に役立てるには、分析方法を知る必要があります。分析は長年の経験と知識が合わさって初めて行えるものですので、正しく分析できないケースは少なくありません。そこで、株式会社ベンチャーネットがサーチコンソールインサイトの各項目を実際に分析していきます。
サイトの概要
サイトの概要では、過去28日間のページビュー数と平均ページビュー時間がわかります。7月25日にページビュー数が急激に伸びていることから、何らかのトレンド記事が多数のアクセスを獲得したと考えられます。その後、平常時に戻り、300~1,000PVの間で常に変動しています。
ウェブメディアは常に成長し続けるのではなく、ある程度の記事数が集まると停滞します。Googleからのサイト評価も安定するため、これは仕方のないことと言えます。むしろ、メディアの成熟期に入ったとも言えるので、良いことであるとの見方もできます。
ここからさらにPVを増やすには、トレンド記事の投稿、オリジナル要素の追加、SNSとの連携などが必要です。
新しいコンテンツ
新しいコンテンツは、最新28日間に投稿されたコンテンツです。1位はサーチコンソールインサイトの記事です。平均滞在時間が6分58秒で、3000文字程度の記事ですので、最初から最後まで基本的には読んでいただけていると考えられます。
一方、3位のバーチャル経営の記事は、平均滞在時間が21秒と短いので、可能性としては「知りたい情報が掲載されていないことがわかった」、「文章が読みづらくて読み進める気にならなかった」、「必要な情報をすぐに取得して離脱した」などが考えられます。
この中でもネガティブな理由に着目することで、リライトの方針が見えてきます。
最も人気のコンテンツ
過去28日間で、最もPV数が多かった記事が表示されます。1位の記事は借金玉氏による執筆記事です。検索クエリが「借金玉」であることから、同氏を調べている人の目に留まり、アクセス数が大きく伸びたものと考えられます。
サイトへのアクセス経路
サイトへのアクセス経路は、オーガニック検索の割合が半数を占めています。これは、一般的なメディアであればごく自然な結果です。特筆すべき点は、ソーシャルからの流入が26%と全体の4分の1を占めていることでしょう。
この場合、ソーシャル経由でのアクセスを増やすことで、アクセスが安定すると考えられます。
Google検索
Google検索経由での流入は、「コーポレート トランスフォーメーション」のクエリの記事がトップとなりました。平均掲載順位が高いだけではなくクリック数も100を超えていることから、需要のあるKWであることがわかります。また、平均ページビュー時間は3分3秒と文字数に対して若干短い印象を受けます。
これは、途中で離脱したか、目当ての情報を見つけたことで離脱したと考えられます。トップの記事のリライト、追記、文字装飾やグラフ・表の追加などで、改善する可能性があります。
他のサイトからの参照リンク
他のサイトからのリンクのトップ3については、特に追う必要はなさそうです。問い合わせページ、jwordからの流入とのことなので、アクセス改善における参考にはなりません。これがもし、SNSやサテライトサイトからの流入であれば、各種マーケティングに成功していると言えます。さらに伸ばすための施策を実施すべきでしょう。
ソーシャルメディア
ソーシャルメディアはTwitterからの流入が3,926とかなり優秀です。平均滞在時間も4分21秒と申し分ありません。一部、YouTubeからの流入もありますが、平均滞在時間が24秒とほぼ閲覧せずに離脱しています。
YouTubeからの流入を増やしたい場合は、他の企業とは明確に違うオリジナリティに優れたコンテンツを配信すべきでしょう。そうすると、配信している企業に興味を持つ人が増え、平均滞在時間も長くなることが期待できます。
まとめ:サーチコンソールインサイトを分析に活用しましょう
サーチコンソールインサイトは、掲載記事のリライト方針、サイト運営の方針、各種マーケティングの方針を決める際に役立ちます。各要素のトップだけではなく、2ページ目以降の記事も必要に応じて分析しましょう。
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