ウェブサイトの運営や集客には、SEOとリスティング広告などの手法があります。SEOのメリットとして「コストがかからないこと(※通常の広告などと比べると)」が挙げられますが、これは正解でもあり間違いでもあるといえるでしょう。たしかにお金かけずSEOで上位表示できれば、費用対効果は抜群で、おどろくほど業績を伸ばすことも十分に可能です。
反対にリスティングなどの広告による集客は、効果のある見せ方や出稿するキーワードなどを徹底的に研究する必要があり、利益が出るまでにかなりの投資が必要。そのため、SEOはたしかにコストがかかりにくいウェブ集客の方法だといえます。ですが、SEOでは直接的なコストがかからない代わりに、成果が出るまでに多くの見えないコストがかかるのです。
SEOの効果が現れるまでの期間は半年以上
SEOの見えないコストとは「時間」のことです。
そして時間だけではなく、ウェブサイトに携わるスタッフの人件費や取材費、制作費などが必要ですが、しばらくはまったく売上がないまま運営を続けなければなりません。そのため直接的なコストはかからずとも、別の形でコストが必要なのです。
ウェブサイトの運営を開始して、SEO対策をはじめてから成果が出るまでの期間は、短く見積もっても半年程度はかかります。もちろん設計が非常によい場合や、なにかしらの理由で多くの人に認知され、被リンクが大量についた場合は別。その場合は、最短で3ヶ月程度で結果が出る場合もありますが、短期間で成果を出した事例を耳にしても、あくまで例外的な話として考えます。
とはいえ、はじめてウェブサイトを運営する場合は、できるだけ短期間で成果を得たいものです。企業であれば、上司から成果を急かされるケースもあるでしょう。ですがそれでも、ユーザーと検索エンジンから評価されるまでには半年以上かかるものとして、長いスパンで考えてください。
大きな変更を加えたら一定期間は様子を見る
ウェブサイトに大きな変更を加えたら、かならず数週間は様子を見てください。はじめのうちは、なかなか検索順位が上がらないことから、さまざまな点に手を加えてしまうはず。ですがそのままにしていれば、じつは上位表示できていたのにも関わらず、変えてしまったことで逆に落ちてしまう、なんてことはよくあります。
それにたまたま上位表示できたとしても、運営歴が浅いうちはまったく喜べません。なぜなら運営歴が短いサイトは、評価が安定しにくく、検索順位も大きく乱高下するものだからです。このような大きな上下の変動を経て、少しずつ順位が安定するようになるものですから、焦らずに様子を見る必要があります。
何よりも損失になるのは、行った施策が本当に効果があったのかを検証できないこと。施策を講じたとしても、評価がわかるまでにはかなりの時間がかかります。何かを変えたあとに、クローラーがサイトを巡回するまでに数日はかかり、そこからインデックスされなおすまでにさらに数日以上かかります。そこから構造の変化やユーザーの反応を測定しながら順位を決定するわけですから、少なくとも一週間以上の時間を置いて評価してください。
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定期的に検索順位をチェックする
検索順位は日々変わるため、できる限り定期的なチェックをしておきたいものです。
とくに運営直後から、ある程度成長するまでは、検索順位がつねに大きく揺れ動くもの。検索順位が動く理由にはたくさんの理由がありますが、サイトの評価が揺れていることや、Google自体の評価基準の変更などさまざまです。ですが何も記録が残っていなければ、何が起こっているのかを把握できません。
サイト全体のキーワードが上がっているのか落ちているのか、特定のキーワードだけが上がっているのか落ちているか、などを把握する傾向の分析が大切なのです。
検索順位をチェックするためのツールは、有料から無料のものまでたくさんあります。もちろん無料のツールでも問題はありませんが、できれば数百から数千ものキーワードから、ライバルサイトの順位までをまとめてチェックできる有料のツールがおすすめです。検索順位の定期的なチェックには、それほど大きな価値があります。
サーチコンソールも活用する
検索順位のチェックをするためのツールは重要ですが、それと同じくらいサーチコンソールの活用も大切だといえます。サーチコンソールでも、過去の検索順位の平均履歴を確認ができ、さらに表示回数の傾向も同時に把握できる点が便利なところ。
個別のキーワードごとにチェックできるだけではなく、サイト全体の平均順位や、表示回数まで把握できるため、ウェブサイトが成長しているのか落ちているのかを分析できます。そのためリアルタイムな検索順位の変動には、検索順位のチェックツールを使い、サイト全体の細かい分析にはサーチコンソールを活用するとよいでしょう。
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サイト運営をしている限りSEOは続く
ウェブサイトを運営している限り、SEO対策が終わることはありません。ユーザーのために役立つコンテンツを作成し、正しいHTMLタグで表記し、ある程度の対策が終わったからと、そこで手を止めてはならないのです。つねに問題点を発見する努力をやめず、改善し続けてください。
たとえ運営しているウェブサイトが評価され、上位表示できたとしても、それが続く保証はどこにもありません。どんなものでも、手入れや改善はつねに必要ですよね。
家は汚れたら掃除をしなければなりませんし、車は洗車だけではなく、エンジンオイルの交換から定期点検、そして故障した箇所の修理も必要です。それと同じようにウェブサイトは、つねにメンテナンスを続けていく必要があります。
Googleのアップデートにより一夜にして順位は変わる
何よりもいちばん怖いのは、どれだけ検索順位の上位に表示されていたとしても、Googleのアップデートにより、一夜にして順位が変わる点です。
これは不正をしていない、しているなどはまったく関係ありません。どれだけユーザーにとって、有益なコンテンツであるかも関係ないのです。Googleの評価基準が大幅に変わることで、急に上昇することもあれば、わずか一日で数分の一以下、場合によってはほとんどなくなることもあります。だからこそ何が起こってもいいように、対策をしておく必要があるということ。
また運悪くGoogleのアップデートの被害にあった場合も、できることはコツコツと問題点を改善し続けることだけです。
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検索順位は相対評価
検索順位の評価に影響するのは、運営サイトとGoogleのアップデートだけではありません。ライバルサイトが改善を重ねて、あなたの運営サイトよりも良いコンテンツをぶつけてのなら、必然的にそのサイトが上位に表示されます。周りのサイトのコンテンツが上がることで、あなたの運営サイトの内容は変わらなくても検索順位が落ちてしまう、ウェブ全体の中での相対的な評価なのです。
つねにどのサイトの運営者も上位表示を狙って改善を続けています。つまり自分のサイトが何もしていなければ、いつの間にか大きな差となり、抜かれてしまうということです。
ウェブサイトの運営はたゆまぬ努力の積み重ね
ウェブサイトは運営をはじめてから、評価されるまでにかなりの時間がかかります。一見するとSEO対策には表面的なコストがかかっていないように見えますが、じつはそうではありません。
すぐに成果を出せて、制作費が回収できればよいですが、現実的には半年以上の時間が必要。また一度上位表示されたとしても、Googleのアップデートや周りのライバルサイトの動き次第で、急に順位が落ちてしまうこともあります。
このようにウェブサイトの運営は、さまざまな課題に立ち向かうため、たゆまぬ努力の積み重ねが大切。SEOをやめる瞬間は、ウェブサイトを閉鎖するとき、または上位表示をあきらるときだけなのです。