ITが目覚ましい進歩を遂げた現代では、情報管理の重要性が高まっています。社内情報には、会社の機密情報だけではなく、顧客情報や決済関連の情報などが含まれており、適切に管理することが求められています。ここでは、社内情報を適切に管理すべき理由やセキュリティの強化方法、ツール使用時に活用したいアクセス権限設定についてご紹介します。
社内情報を適切に管理すべき理由
社内情報を適切に管理すべき理由から詳しく見ていきましょう。
情報漏えいは死活問題
社内情報が漏えいすると、顧客や取引先からの信用を失う恐れがあります。特に、取引先の重要な情報や顧客の個人情報、カード情報などが漏えいした場合は、損害賠償請求を受けることで会社が破綻するケースもあるのです。
取り扱う個人情報の数が多ければ多いほどに損害賠償額が大きくなります。また、漏えいした情報によって顧客や取引先が二次被害を受けた場合、その弁済も必要になるため、高額賠償に繋がりやすい事案と言えます。
全ての社員にモラルがあるとは限らない
どれだけ慎重に採用を行っていても、社員全員に情報管理のリテラシーとモラルがあるとは限りません。社内情報を持ち出して第三者に売却したり、自ら悪用したりするケースもあります。そのため、社内情報は閲覧できる人物を制限し、持ち出しを厳しく禁じなければなりません。
必要な情報を必要なときに引き出せる
社内情報を適切に管理することで、必要な情報を必要なときに引き出せるようになります。必要な情報が見つからないために機会損失をしたり、サポートの質が低下したりすると、企業の収益に悪影響が及びます。
情報は、利益を得るために必要な材料のため、適切に管理しなければなりません。
社内情報のセキュリティにおける脅威
社内情報のセキュリティにおいては、次のような脅威があります。
ウイルス感染
メールに添付されているウイルスを開いたり、ウイルスが仕込まれたサイトにアクセスしたりすると、ウイルスに感染します。ウイルスは、感染したコンピューターのデータを外部に送信したり、改変や消去したりするため、その影響は甚大です。
ウイルスと気づくことが難しいものも出回っているため、全ての社員がウイルスに対する正しい知識を身につけて、適切に対処する必要があります。
不正アクセス
不正アクセスとは、パスワードを破られて社内ネットワークに侵入されることです。情報を外部に流出させたり、変更や削除したりして、甚大な被害を引き起こします。必ずしも外部の者の犯行とは限りません。閲覧権限を持たない社員がパスワードを盗み見て不正アクセスするケースもあります。
情報の持ち出し
USBメモリや外付けHDDなどを接続して、社内情報を無断で持ち出すケースがあります。さらに、自宅のパソコンがウイルスに感染していた場合は、社内情報が漏えいします。
データの消失
サーバーに障害が発生することで、社内情報が消去されるケースがあります。バックアップができていなければ、社内情報が完全に失われます。もし、顧客情報を失えば、顧客に新たなアプローチができなくなるなどして、収益低下に繋がります。
実施すべき社内情報のセキュリティ対策
社内情報のセキュリティ対策には、次のような方法があります。
セキュリティの意識・行動調査
社内情報を適切に管理するには、社員の情報リテラシーの向上が欠かせません。不審なメールの受信、怪しいサイトへのアクセスなど、社員のセキュリティに対する意識・行動調査を行いましょう。現状を把握した上で、リスクに応じた対策を講じることが大切です。
OSやソフトを最新版にアップデートする
OSやソフトを最新版にアップデートすることで、最新のウイルスに対するガードを固めることができます。ウイルスは日々進化しているため、アップデートを怠ると簡単に感染してしまいます。
セキュリティソフトを導入する
ウイルス感染を防ぐためのセキュリティソフトを導入しましょう。ウイルスを検知次第削除したり、ウイルスに感染しそうになったらガードしたりできます。ただし、常に最新版にアップデートしなければ、最新のウイルスを防ぐことはできません。
また、ファイアフォールのような基本的なセキュリティシステムと組み合わせて使うことが重要です。
パスワードを定期的に変更する
全ての情報に1つのパスワードでアクセスできることは望ましくありません。また、パスワードを変更しない場合もセキュリティ上の問題が生じます。パスワードをこまめに変更することで、たとえパスワードが漏えいしても不正アクセスを防げる可能性があります。
閲覧権限を設定する
業務に使用するツールには、必ず閲覧権限を設定しましょう。顧客管理システムや会計システムなどを使用できる人物を厳選することで、情報漏えいのリスクを抑えることができます。そのほか、Googleスプレッドシートの共有範囲の設定、編集権限の設定などをすることで、情報漏えいのリスクを抑えられます。
まとめ
社内情報が漏えいすると、企業の信用問題に関わります。また、顧客情報を失えば収益が大きく低下する恐れがあります。このような事態を防ぐためにも、社内情報は適切に管理しましょう。また、ツールには必ずアクセス権限、閲覧権限、編集権限などを設定することが大切です。