良い営業管理職に求められる3つの条件と具体的な役割

営業管理職は、営業担当者を束ねるリーダーとも呼べる存在です。実際に営業するのは営業マンですが、営業管理職が役割を果たせているかどうかで目標の達成度が大きく変わることをご存知でしょうか。営業担当者がどれだけ優秀でも、営業管理職が自分の役割を果たせていない場合は、売上目標を達成できないでしょう。

ここでは、良い営業管理職に求められる3つの条件と具体的な役割をご紹介します。

目次

営業管理職とは

営業管理職とは、営業課長や営業所長など、営業担当者を束ねるリーダー的ポジションのことです。営業管理職には、過去に営業担当者として高い実績を挙げていた人物が就任します。ただし、年功序列の企業では、実績よりも年齢が優先され、営業管理職に就く人物が決まる傾向があります。

営業管理職と営業担当者では、求められるスキルが異なるため、高い営業成績を挙げていた人物が営業管理職としても優秀とは限りません。これは、野球に例えるとわかりやすいでしょう。野球選手として高い実績を挙げてきた人物が監督に就任しても、チームの成績が大きく上がるとは限りません。

営業管理職に就く人物は、自分の役割と課題を認識したうえで、売上目標を達成すべく社員を導くことが大切です。

営業管理職の役割


それでは、営業管理職の役割について詳しくみていきましょう。

営業計画の立案

売上目標を達成するには、適切な営業計画を立てる必要があります。例えば、「前月比150%を実現するためにアポイント獲得数を100件増やす」といった無理な計画を立てると、メンバーのモチベーションが低下します。

現実的に達成できる売上目標の設定と、目標達成に必要な行動目標を設定しましょう。

営業計画の指揮

営業計画を立案したら、それを正しく実行するために指揮します。営業計画書をメンバーに配るだけでは、目標達成に必要な行動はとれません。常に状況を把握して、メンバーにアドバイスしたりモチベーションが上がる取り組みを講じたり、営業管理職として適切に行動しましょう。

トラブルの対応

営業管理職の役割の1つに、営業メンバーの行動に責任を持つことが挙げられます。営業メンバーと取引先とのトラブルに対応し、事態を速やかに収集します。トラブルが大きくなれば、営業管理職の上司にあたる役員クラスの人物が現場に出てくることになりますが、自分の評価に悪影響を及ぼすため、何としてもトラブルは部署内で解決したいところです。

営業計画の軌道修正

営業計画は必ずしも予定通りには進みません。思っているよりもアポイント獲得数が伸びない、商談がうまくいかないなどの理由で売上目標を達成できないと感じた場合は、営業計画の軌道修正が必要です。

挽回するための施策を立案して実行すれば、進捗が改善する可能性があります。それでも売上目標の達成が困難な場合は、目標を修正しましょう。進捗に対して残り時間が短い場合、メンバーのモチベーションが低下します。そのため、努力すれば達成できる目標へ修正する必要があるのです。

ただし、営業計画の軌道修正や目標の修正は、当たり前に行われるべき行為ではありません。会社が提示した売上目標を達成することが営業管理職に与えられた使命です。

社員の営業力強化

先輩社員や好成績の社員などは、率先してメンバーの営業力強化に努めることが重要です。社員が他の社員をメンターとして営業力を強化できる仕組みを作りましょう。例えば、アポイント獲得数が最も多いメンバーの電話録音を他のメンバーに聞いてもらう方法があります。

また、週1回のロープレの習慣化、不明点を気軽に質問できる環境作りなども有効です。

社員の適切な評価

社員を適切に評価することも営業管理職の役割です。社員を評価するときに見るべきポイントは、営業成績だけではありません。数字に表れない会社に貢献している部分にも注目して、社員を適切に評価しましょう。例えば、チームのムードメーカー的存在は、他のメンバーのモチベーションを上げることで、間接的に企業の収益アップに貢献している場合があります。

社員を適切に評価すれば、社員のモチベーションが上がることで売上目標の達成に近づきます。

良い営業管理職の3つの条件

それでは、売上目標を達成できる良い営業管理職の条件について、詳しくみていきましょう。

実態を社員にわかりやすく伝えることができる

社員のモチベーションを維持するには、常に現状を意識させる必要があります。現在の売上、進捗、問題点、メンバーごとの実績などをいつでも確認できることで、目標達成に向けて行動しやすくなるのです。

ここで取り組みたいのが、現状を「見える化」することです。例えば、売上は数字と一緒に棒グラフや折れ線グラフなどで提示するだけでも、現状がわかりやすくなります。このような「見える化」と一緒に実行したいのが、現状の伝え方の工夫です。

例えば、残り15日時点で進捗50%の場合、どうすれば進捗100%を達成できるのか、アポイント獲得数やリード獲得数などに分解して伝えましょう。日本では、社員に自ら考えさせることが重要とされていますが、全て社員に任せっきりでは営業管理職が存在する理由が不明瞭になります。

社員に考えさせることも大切ですが、まずは営業管理職が「自ら考えることができる環境」を作ることが重要です。社員が打開策を考えるために必要な情報をわかりやすく伝えましょう。

部下と適切にコミュニケーションをとる

部下と適切にコミュニケーションをとり、やる気とスキルを引き出すことも営業管理職の役割です。「やればできる」、「根性で何とかしろ」といった精神論で指導しても、部下のやる気は引き出せません。部下を1人の人間として適切にコミュニケーションをとることが大切です。

具体的にどうすればよいのかを伝えるのではなく、考えるきっかけを与えましょう。現状を伝えたうえで、「それならどうすればいいのか?」と問いかけてください。社員に自ら考える力が身につけば、営業管理職としても業務量を削減できるため、モチベーションが上がります。

会社の理念を社員にわかりやすく共有する

社員が会社の理念に共感できれば、自主的にスキルアップに取り組むようになります。ここで問題となるのが、理念がわかりにくかったり理解しづらかったりすることです。営業管理職が会社の理念をわかりやすくかみ砕いて社員に伝えることで、理念に共感してもらいやすくなります。

業務効率化ツールの導入を推進する

メンバーが働きやすい環境を作るために、業務効率化ツールを積極的に導入することが大切です。営業管理職の一存で導入を決定できない場合は、積極的に上層部へ掛け合いましょう。

特に、Salesforceのような営業支援ツールは、必ず導入したいところです。メンバーごとの売上や現在の進捗などが一目でわかります。また、顧客ごとの商談フェーズや前回の商談から経過した期間などもわかるため、業務効率が格段に上がるでしょう。

営業管理職が役割を果たせている企業の特徴

営業管理職が十分に役割を果たせている企業には、次のような特徴があります。

社員それぞれがいきいきと働いている

営業管理職による適切なマネジメントによって、社員が働きやすい環境が構築されていることで、社員それぞれがいきいきと働いています。目標を達成するために自主的に行動したり、社員同士のコミュニケーションが活発化したりして、売上目標の達成に向けて行動できています。

社員が自然に育つ環境になっている

先輩社員や好成績の社員が他の社員に営業指導を行う環境が構築されており、営業管理職が深く関わらなくても社員が自ら成長できるようになっています。教育コストを削減できるだけではなく、教育にかける時間を削減して、営業のような利益を生み出す行動に重点を置けます。

社員それぞれが企業の目標達成に向けて努力している

従業員満足度が高まることで、企業の目標達成に向けて努力しています。営業管理職が現状を社員に伝える必要はあるものの、ある程度放置しても目標を達成できるようになります。

営業管理職に向いている人

それでは、どのような人物が営業管理職に向いているのか詳しくみていきましょう。

感情を制御して社員とコミュニケーションをとれる

営業管理職には、売上目標を達成できるようにマネジメントすることが求められます。売上目標の達成度が営業管理職の評価に直結する場合、進捗が乏しいときにメンバーに強くあたってしまう場合があります。

そうなればメンバーのモチベーションは低下して、進捗がさらに悪くなるでしょう。そのため、営業管理職には感情を制御して、社員と適切にコミュニケーションをとることが求められます。

進捗が悪いことの責任をメンバーに押し付けるのではなく、自分のマネジメント不足だと考えることが大切です。そして、どうすれば営業目標を達成できるのかを考えましょう。

板ばさみになる覚悟ができている

営業管理職は、役員クラスと部署のメンバーとの板ばさみになりやすいため、その覚悟が必要です。板ばさみになることを覚悟できていないと、メンバーに強くあたってしまったり、葛藤によって悩んだりしてしまいます。

人に教えることが得意

営業強化も営業管理職の役割のため、人に教えることが得意な人に向いています。実際に営業職として悩んだことを思い返すと、メンバーが悩んでいることを自然に理解できるでしょう。相手に共感しながら正しい方法を教えて導くことが大切です。

また、先輩社員や好成績の社員も教えるのが得意とは限らないため、教え方をアドバイスしましょう。

まとめ

良い営業管理職に求められるのは、適切なコミュニケーションをとれる能力や適切な営業計画の立案、チーム一丸となって売上目標を達成できる環境作りなどです。営業管理職のレベルが高いほどに売上目標を達成しやすくなります。売上目標を達成できればメンバーのモチベーションが上がり、さらに高い目標に挑戦できるでしょう。

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