サービスやモノを販売するときは、ターゲッティングが欠かせません。ターゲッティングせずに営業を始めても、成果を出すことは難しいでしょう。反対に、適切にターゲッティングすれば、効率的かつ速やかに収益を挙げられます。ここでは、ターゲッティングの概要や目的、具体的な方法について詳しくご紹介します。
ターゲッティングとは?
ターゲッティングとは、参入する市場と顧客ごとのアプローチ方法を決めることです。企業の資源には限りがあるため、参入する市場を誤るとキャッシュフローに大きな問題が生じ、瞬く間に経営難に追い込まれるでしょう。
ターゲッティングの目的は、客層に応じた課題解決法を踏まえた戦略を立案することです。客の性質は、エリアやライフスタイル、年齢、性別など、非常に多くの項目に細分化されており、客の性質に合わせてアプローチの方法を変える必要があります。
アプローチを変えない戦略では、商品やサービスに価値を感じてもらえません。正しくターゲッティングすることで、商品やサービスの魅力を感じてもらいやすくなります。
ターゲッティングの重要性
ターゲッティングの重要性は次のとおりです。
無駄な営業活動を防げる
ターゲッティングに問題があると、商品やサービスを購入する可能性が低い人物に対して営業をかけることになります。無駄な営業活動は人件費の浪費につながるでしょう。さらに、「自分に合わない商品やサービスを勧めてくる業者」というレッテルを貼られる恐れもあります。
PDCAが回りやすくなる
ターゲッティングで、顧客の性質ごとにアプローチの方法を変えることが大切です。ただし、アプローチの方法を変えたからといって、成約率が格段に上がるわけではありません。結果を分析し、改善する必要があります。ターゲッティングが正確であれば、PDCAが回りやすくなるでしょう。
ターゲッティングとセグメンテーションの違い
ターゲッティングと混同されやすい言葉に「セグメンテーション」があります。
セグメンテーションとは、市場を年齢や性別、職業、家族構成などに細分化して、顧客のグループを分けることです。ターゲッティングは、セグメンテーションで細分化された顧客グループの中でも、特に集中して営業をかけたいグループを決めることです。
ターゲッティングのフレームワーク「6R」とは?
ターゲッティングには、「6R」と呼ばれるフレームワークがあります。それぞれ詳しくみていきましょう。
有効な市場規模(Realistic Scale)
市場規模が十分か、自社の商品とサービスにマッチしているかを確認しましょう。両方の条件を満たす市場を選ぶことが大切です。
競合状況(Rival)
市場を独占している強力な競合が存在すると、商品やサービスの質が高くても思うように収益が挙がりません。ヒト・モノ・カネがよほど充実していない限り、強力な競合がいる市場への参入は避けた方がいいでしょう。
成長性(Rate of Growth)
ターゲットのニーズが増えていく可能性があるかどうか確認が必要です。すでに成熟している市場に参入すると、顧客の奪い合いが激化します。それでは収益を拡大するのに時間がかかるうえに、小さな要因で収益が増減するでしょう。
波及効果(Ripple Effect)
ここでいう波及効果とは、「商品やサービスを購入したターゲットが、SNSやレビューサイトで購入したものの魅力を拡散すること」です。波及効果が高いほどに商品やサービスが世に知れ渡ることになるため、収益が早く挙がるでしょう。
到達可能性(Reach)
ターゲットに到達する方法には、電話営業や通信販売、店頭販売などがあります。到達することが難しい場合、ターゲットに商品やサービスの存在を知ってもらうことができません。商品やサービスに関連する施設の周りに店を出せるかなど、到達可能性を確認することが大切です。
測定可能性(Response)
ターゲットに対するアクションの結果、効果があったかどうかを測定できなければ、目標の達成度がわかりません。営業チームのモチベーションが低下する恐れもあります。そのため、効果の測定が可能なターゲットを選ぶことが大切です。
ターゲッティングの分析にはCRMを活用しよう
ターゲッティングでは、顧客情報や営業活動情報など、さまざまな情報を組み合わせて分析する必要があります。また、営業成績が悪いときは、その原因を考えることが必須です。そこで便利なのが顧客管理システムのCRMです。
集中的に営業をかけるべき顧客が明確になることで、不要な営業活動による顧客離れや人件費の無駄づかいを防げます。
まとめ
ターゲッティングは、企業が収益を挙げるために欠かせない手法です。ターゲッティングに問題があれば、どのような商品やサービスも思うように売れません。営業メンバーのモチベーション、企業の収益アップ、顧客満足度など、あらゆる項目に関わるため、フレームワークを元に正しくターゲッティングをしましょう。