リスクをどこまで計算するか~リスク回避編その①~(借金玉のマイクロ起業 Vol.05)

こんにちは。借金玉です。僕は現在、二足の草鞋で生きています。

  • フリーランスの物書き(フリー)
  • 雇われ営業マン(非正規雇用、歩合制)

でも、今の僕なら、もう少し何かできるのではないか、という思いがあり「マイクロ起業」をしてみました。ここでは、僕の「生き残るためのマイクロ起業論」をお伝えしています。さて今回からは、生き残るためのマイクロ起業論、そろそろおっかないお話「リスク」について触れていこうと思います。

目次

起業にはリスクは常にある

本題に入る前に定例となっております、僕のマイクロ起業収支報告ですが、9月は売り上げが18万円を越えました。事業のスケール自体は地道に成長しつつあります。しかし、なんと9月は赤字という恐ろしい事態が発生しました。たった今トータルを計算したのですが、1,000円の赤字という、非常にコメントしにくい結果です。正直ちょっと落ち込んでいます…。

さて、これは何故か。

答えはとても簡単です。リスク回避にコストを費やしたからです。

僕の事業は基本的にとてもシンプル。中小零細企業から仕事を請け負って、誰かに依頼する。その中間に立つ仕事です。

しかし当然ですが、依頼先は人間ですので「仕事に失敗する」こともあれば「達成できない」こともあり、もっとプリミティブに体調不良などで当日になって動けなかったりもします。人を使う事業なら必ず直面するリスクですね。

これは、ITサービスなんかでもまったく同じだと思います。システムが故障することもありますし、技術者が動けないこともある。自分自身が動けないこともあるでしょう。そういう時にどうするかという問題は常に発生します。

「リスクのない起業」は基本的にありません。誰かから仕事を請け負うということは、基本的にリスクを負うということに他ならないのです。もちろん、「誰かに仕事を依頼する」こともリスクです。想定されたリスクが直撃した時にも、それに十分な余力を持って耐えられることが非常に重要になってきます。起業の成功失敗は、事業計画の出来よりもこの「リスクが見通せているか」に拠るところが僕は大きいと思います。

さて、そういうわけで僕は今月「業務を依頼した人間がバックレる」「依頼した人間から上がって来た成果物のクオリティがまったく話にならない」というダブルアタックを食らい、涙目になっていました。想定していたけど、やっぱり発生するか…というやつです。

そこで、今月は予め準備しておいたリスクヘッジ策がちゃんと稼動するかを試すことにしました。まず、基本的に僕の事業は「いざとなれば請けた仕事は自分でやればいい」をベースに構築されています。基本的に「自分でやれない仕事は請けない」が僕のモットーです。これが想定外事象発生時の最終防衛ラインと言えます。

しかし「自分でやる」はマイクロ起業のリスク回避策としては優秀とは言えません。本当に「最悪の事態」の際に採用する手段と位置づけるべきでしょう。自分の身体は一個しかないので、事業に想定外のことが起きる度に事務所から飛び出していてはマイクロ起業が成り立ちません。拡大もおぼつかないでしょう。

小さな会社の助け合い、人を融通しあうこと

そこで僕は「いざという時の仕事の依頼先」を確保していました。お値段は高いが、突発であれ仕事をこなしてくれる人というのは存在します。今月は「企業から依頼される調査レポートの作成」で、「生産物がまったく商品としてのレベルに到達しない」が頻発したので、調査屋さんを使うことが非常に多かった…。

しかし、いきなり「これとこれを調査してこういうレポートを作成してくれ」と依頼して、1週間くらいのタームで成果物を上げられる優秀な人間は高くつきます。また、突発で「明後日、人を1人貸してくれ」と依頼してマトモな人間を1人回せる人というのも、安くはありません。想定外は常に高くつくのです。しかし、ちゃんと「想定外の際に依頼する先」が稼動出来たのは収穫だったと言えるでしょう。

さて、僕の「いざという時の依頼先」がどうして存在するかというと話は単純で、僕のように「自社で人を抱えないので業務遂行が安定感に欠ける」という苦労を抱えている人と同じくらい、「自社で人を抱えてしまったけれど、仕事が不足して人が遊んでしまう」という苦労を抱えている人もいるのです。これは正社員に限りません。「アルバイトの仕事がない」ことだってとても困る話なのです。

そういう時に役立つのが外部から依頼されるちょっとしたお仕事です。そして、僕のところのお仕事は「ちょっとした技能」があれば出来るものがほとんどです。僕は今回のマイクロ起業をデザインする際、この点をとても重視しました。「いざとなればあの会社に振ればなんとかなる」というあてをきちんと複数作っておいたのです。

こういった、小さな会社の人の融通しあいはとても美しい文化だと僕は思っています。この関係を作れるかどうかで起業の成功失敗は大きく左右されるでしょう。

いかがでしょう。

「いざとなれば3日くらい寝なくても大丈夫」は僕の強みですが、流石にそうそうやりたくはありません。僕は今月、赤字という代償は負いましたが、「いざという時の頼れる皆さん」がきちんと稼動してくれることを確認できて、とてもよかったと思います。

次回は「リスク回避の方法」について考えてみます。

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この記事を書いた人

1985年、北海道生まれ。大学卒業後、大手金融機関に就職するが2年で退職。
現在は不動産営業とライター・作家業をかけ持ちする。
著書に『発達障害サバイバルガイド: 「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』(ダイヤモンド社)、『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』(KADOKAWA)がある。

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