こんにちは。借金玉です。僕は現在、二足の草鞋で生きています。
- フリーランスの物書き(フリー)
- 雇われ営業マン(非正規雇用、歩合制)
でも、今の僕なら、もう少し何かできるのではないか、という思いがあり「マイクロ起業」をしてみました。ここでは、僕の「生き残るためのマイクロ企業論」をお伝えしています。前回は、「リスクをどこまで計算するか」というお話でした。今回は、どのようにリスクを回避したらよいのかについて、考えてみます。
零細企業の泥臭いおっさんパワー
コストカットが叫ばれる昨今、景気のイマイチぱっとしない感もあり「下請け先は安ければ安い方がいい」という考え方は強いと思います。しかし、マイクロ起業において僕はこの考え方を、「必ずしもそうではない」と否定したいと思っています。自社で人を抱え、安定的に業務を遂行する能力を担保できない以上、「コストが高くても信頼出来る取引先」を確保しておくことは、とても重要です。
マイクロ起業は、基本的にとても簡単なものです。「そんなの誰にでも出来るんじゃない?」と、このコラムを読んでいる皆さんも感じたと思います。実際、誰にでも出来ます。しかし、「いざという時」への想像力や対応力が不足していると、想定外事象一発で全てが吹っ飛んでしまうのも「起業」の怖さです。
要はバランス感覚なのです。安くて信頼できない取引先、高くて信頼出来る取引先、そのいずれにも価値を認め、妥当な価格設定を提示し「仲良く」する。そして、いずれとも信頼しあえる関係を築いていく。そして、いずれにも仕事を回し関係を継続する。こういう力を「零細企業のおっさんパワー」と僕は呼んでいます。場末のスナックで楽しく飲んでいる、零細社長たちのとても美しい腕力です。
僕は、基本的に仕事を依頼した人や会社が、実に様々な(時にはあまりに理解しがたい)事情で業務を完遂出来なくても、あるいは質が低くても怒りません。それは「仕方ないこと」なのです。もちろん、仕方ないと認める代わりに業務の対価はそれに見合うものに設定せざるを得ませんが、それも仕方が無い。なにせ我々は「マイクロ」な世界にいるのですから。
そこは諦める代わりに、代替策をきちんと作っておくことが大事だと思います。これは、零細界隈と大手界隈の大きな差でしょう。小さな会社、あるいはフリーランスの個人は「仕事を完遂出来ない」ことなんて当たり前にあります。これは、単純に人間の限界です。それで一々相手を詰め上げていては仕事にならないと思うのです。
「オーケー、しゃあねえな」と言える用意がないのなら、他人に仕事を依頼する形がベースの起業をするべきではありません。僕の役目は「そういう時になんとかすること」なのですから。その役目を放棄するなら、僕の依頼先に僕のクライアントが直接仕事を依頼すればいいということになってしまいます。
僕の第一回目の起業の反省ですが、僕にはこの「オーケー、しゃあねえな」の観点があまりに欠けていました。若さ故の勢いもあったでしょうし、不寛容さもあったと思います。「仕事なのだからそんなことがあってはならないのだ」に凝り固まっており、現実が見えていませんでした。実際、僕自身も何らかの事情で仕事を完遂出来ないことは十分にあり得るくせに、です。
どこまでリスクを想定出来ますか?
僕が行っている「マイクロ起業」が、あまりにもショボいと感じる方は多いのではないでしょうか。実際、とてもショボいです。誰にでも出来る簡単なお仕事と言えるかもしれません。しかし、初めての起業をした時の僕は前述したようなリスク予想は、一切出来ませんでした。考えてもいなかったと言っていいと思います。
想定どおり仕事が出来れば、大抵のビジネスは儲かります。しかし、想定外は無限に発生するのです。僕のこの極めてショボいビジネスが曲りなりにも回っているのは、今のところ起きるべくして起きるリスクを一通り予想できているからだと思います。5年前の僕なら既に破綻しているでしょう。何せ、極小規模のビジネスなので10万円も想定外の支出が発生すれば、通常の起業なら「破綻」レベルのダメージ感です。
もしかすると、先にこの「マイクロ起業」を経験し、本番の大きい起業に向かえば僕にももう少し違った未来があったかもしれないと思うと、とても悲しい気持ちになります。しかし、僕は僕でやっていくしかないので、10月はしっかり稼げるように頑張っていきます。
仕事を依頼する先も少しずつこなれてきてはいますし、スキルが不足する依頼先には指導を行うなどの地道な努力で、来月は「高くて信頼出来る」緊急用の依頼先をなるべく使わずに済むよう、整えていきたいところです。11月の目標は黒字5万円。
やっていきましょう。