自己分析に失敗するということ

こんにちは、就職活動大失敗マンこと借金玉でございます。就職活動というものには実に多様な失敗要因がありますが、僕は最も警戒すべき失敗要因に「自己分析」を挙げます。
はい、「え?」って顔しましたよね。わかります。自己分析って一番どうでもよさそうな感じしますよね。「自己なんて分析しても能力が上がるわけでなし、面接の受け答えが上手くなるわけでなし、やらなくてよくね?そもそも意識高い系っぽい単語でキモくね?」って言いたいですよね。

仰る通りです。「就職する」という一点に関して、「自己分析」なんてクソほども役に立ちません。「絶対に入りたい会社」があるなら、会社に合わせて「自己演出」をするのが一番です。その会社がどんな人材を求めているのかは本気で調べればかなりカラーが見えてきます。適性検査はゴニョゴニョーっとすると上手にやれます。採用試験における「自己演出」は可能か不可能かで言えば、可能です。

実際僕も「自己演出」に成功して、大変立派な就職先に侵入することに成功しました。面接を6回くらいやった挙句僕を採用してしまった金融機関が実在するのです。累計10時間を越す採用カリキュラムの結果ツモったのが僕だったというのは、就職活動における「自己演出」がいかに効果的かを如実にあらわすものだと思います。

ちなみに、僕は発達障害(ADHD)を持っておりまして、「ケアレスミス魔人」「失くし物キング」などの称号を欲しいままにしてきました。そんな人間が伝統と格式ある金融機関にログインしたものですから、それはもう悲惨な事態となりました。僕を採用した人も多分、すごい怒られたと思います。僕が採用されたせいで落ちた人、本当にすいませんでした。

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自己分析、大事

人間には「適性」というものがあります。
僕は、浄水器の訪問販売から塾講師、先述の金融業そして会社経営に不動産営業、最新の肩書である作家まで(未だに名乗るのが恥ずかしいです)本当に色々な仕事を経験してきましたが、向き不向きはそれぞれとても強くありました。食品のライン製造のアルバイトをしたときは、「おまえは知的障害がある」と言われました。実際、そう言われても妥当と言える惨澹たる結果でした。たった6個の手順が覚えられなかったのですから…。

しかし、僕は新卒就職活動に臨む際自分の適性を完全に無視することに決めました。当時は「少しでも良い会社に入りたい!エリートになりたい!」という虚栄心だけが僕を支配していたと正直に言うしかありません。その結果起きた悲劇は著書の方にたっぷり書きましたし、もう一回書くの正直辛いので許してください…。「発達障害の僕が『食える人』になったすごい仕事術」、KADOKAWA社より好評発売中です。わりと売れてます、しばらく生きていけそうです…。

ブラックオアホワイト

そんなわけで、まず皆さんに是非やっていただきたい「自己分析」があります。これは非常にシンプルなのですが、「あなたはホワイト企業に向いていますか?」というやつです。というのもですね、「ホワイト企業」というのは往々にして「適性」を必要とするからです。

「え?」と思った皆さん、ホワイト企業について少し考えてみましょう。ホワイト企業とは何か。まずは「給与が高く休みが多い」会社ですよね。その上「仕事がそれほどキツくなく、数字に追われない」という条件がつきます、学生の皆さんにとっては「会社の知名度や規模」も大事でしょう。わかります、僕も学生の頃はそういう職場を必死で探したものです。

ちなみに現在僕は作家業の傍ら不動産会社の営業をやっています。給与は歩合制、稼げなければ給料がどんどん下がります。おまけに営業マン同士の競い合いも激しく、契約を取れない人はどんどんいなくなります。先日も新卒社員数名が討ち死にしました。(本当に気の毒でした)

しかし、ここは僕にとって「楽園」とすら言えます。というのも、僕は「獲物を追いかけて捕まえる」とでもいうべき仕事に最もやりがいを感じますし、槍を借りて獲物を獲って肉の分け前をいただくという原始的なスタイルがとても性に合っています。そして、「獲物が獲れなかったら「詰め」られるのをあまり苦にしません。だって、納得いくじゃないですか。会社としても社員のモチベーションを最大にするために、「功績ある者に報酬を、功績なきものに叱責を」をやるのは当然のことですし。「はい、やります!」って言ってりゃ過ぎていきますよ、あんなもん。

実際、こういうタイプの人は決して少なくはないようで、不動産業界というのはこういうバーバリアンで回っています。いや、上層の方は知らないけど、僕がいるようなエリアは大体こういう生物です。ツーブロックゴリラと呼ばれることもあります。おうちを売ります。ウホウホ。とても楽しいです。

ホワイトアウト

では、「ホワイト企業」はどうでしょう。そう、一般的に「ホワイト」ということは、「一人一人の裁量が小さく、チームで仕事をする」ということです。結果として、数字や成果に追い立てられることなく仕事が出来るようになります。いわば「群れ」で戦う会社です。これは会社組織としては素晴らしいことと言えます。人員の兌換が効きやすいので当然、お休みも取りやすいでしょう。

さて、ここに僕のような出力ムラが大きくポカミスの異様に多い生物が入り込むとどうなるか。それはもう、アリの巣に入り込んだゲンゴロウみたいなものです。全くもって、身動きが取れず、アリの皆さんにハチャメチャに怒られ続けます。現在僕は、「数字を上げる」という一点でのみ、様々な粗相を会社に許されていますが、「ホワイト企業」では、「成果を上げて粗相を帳消しにする」チャンスがとても少ないのです。

ブラック企業というのは、大体は勤怠は適当、指示はいい加減、業務マニュアルなんてものは存在しない。いきなりナイフ一本渡されて「獲物取ってこい」みたいな感じが多いです。僕は、こういうところに非常に適応性が高いのです。逆に、ホワイトにありがちな「チームワーク重視」は僕にとって地獄そのものです。わからない、チームワークというものが本当にわからない…。なんで挨拶の仕方とかがチームワークになるんだ、メールの定型文なんかどうでもええやんけ、呑み会の翌日の挨拶周りってなんなんだよ。

はい。そんなわけで皆様、本当にあなたは「ホワイト企業」に向くでしょうか。この「ホワイト企業」は「公務員」に置き換えていただいても大体OKだと思います。そして、この「適性」はたった一つの質問で大体推し量ることが出来ます。

「あなたは学校の文化祭や体育祭を楽しめましたか?」

NO,という答えを心が叫んだ皆さん。引き続き考えていきましょう。やっていきましょう。人生はここからです。

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この記事を書いた人

1985年、北海道生まれ。大学卒業後、大手金融機関に就職するが2年で退職。
現在は不動産営業とライター・作家業をかけ持ちする。
著書に『発達障害サバイバルガイド: 「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』(ダイヤモンド社)、『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』(KADOKAWA)がある。

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