バーチャル経営の集客と販促~ホワイトペーパーで一石三鳥を狙う

ホワイトペーパーは企業の事業内容や強みなどをアピールする資料です。ただし、制作には一定の労力が必要なことから、制作後の活用方法もしっかり把握し、コストに見合うだけの効果を狙いたいところです。

目次

ホワイトペーパーが持つリード獲得の効果

まずホワイトペーパーの特長・強みなどを簡単に整理しておきましょう。

ホワイトペーパーとは

冒頭でも少し触れましたが、ホワイトペーパーは「事業内容」や「展望」「強み」などを公開するときに使われる資料です。ホワイトペーパーは、デジタルマーケティングの中でも特にBtoBへ特化したツールと言えます。また、その内容は記事広告やLPなどとは一線を画します。集客や宣伝の要素は少なく、「市場動向」「技術動向」「導入事例」などを中心とした「報告書」や「ノウハウ資料」のような体裁で制作されるという点が特徴です。

ただし、近年はBtoBデジタルマーケティングが一般化したことにより、リード獲得の効果を狙うホワイトペーパーも増えてきました。ホワイトペーパーをダウンロードしてもらう過程でメールアドレスを取得し、そのメールアドレスをリスト化してリード獲得の材料にするわけです。

ホワイトペーパーが持つ効果

ホワイトペーパーが持つ効果は、次の2点に集約されます。

  • 有効性の高いメールアドレス収集
    ホワイトペーパーは一般的に、ダウンロード資料として提供されます。Webコンテンツの下部に設けられた口に「メールアドレス」「所属企業」「部署」などを入力してもらうかわりに、ホワイトペーパーを提供するわけです。「Webコンテンツ閲覧⇒ダウンロード」という過程でスクリーニングされるため、有効性の高いメールアドレスを効率的に収集できるという点が強みです。ここで収集されたメールアドレスは、Webコンテンツを通じて自社に興味・関心を抱いている「見込み客候補」と考えても良いでしょう。
  • 「不揮発性の情報」という利点
    Webコンテンツは、「離脱後に閲覧者の記憶に残りにくい」という弱点があります。一方ホワイトペーパーは、ダウンロードによって閲覧者の環境(端末など)に残るため、あとからじっくり読み、納得したうえで問合せを行ってもらえるという利点があります。このような「不揮発性」の性質が、強いリードの獲得につながるのです。

BtoB向けホワイトペーパー作成のポイント

では、実際にホワイトペーパーを作成する際のポイントを紹介します。

BtoBでは「事例」「ノウハウ」が中心

近年のホワイトペーパーは事例やノウハウの提供が中心となっています。「ペルソナ(顧客像)」の記事でも解説したとおり、BtoBの顧客像は「背景」「課題」「立場」が明確です。また、大抵の顧客像は意思決定チームの一員で、単独で意思決定する権限を持っていません。そのため、できるだけ実例に沿った具体的かつ明確な「前例」を提示し、社内の承認を得るための材料を提供したいところです。この点を突き詰めていくと、製品・サービスの紹介よりも事例やノウハウを提供したほうが、リード獲得につながりやすいという結論に至るはずです。

また、事例・ノウハウを詰め込んだワイトペーパーは、「パーセプションチェンジ」を促すコンテンツでもあります。パーセプションチェンジとは以前の記事でも解説した通り、「顧客の意識変容」です。閲覧者は、ホワイトペーパーで示される事例やノウハウに触れることで「解決方法は他にもあるのではないか」「この方法なら自社にもマッチするかもしれない」といった意識変容を体験します。その結果、ホワイトペーパーの発行元に対して強い興味を抱き、問合せへとつながっていくわけです。

公的な統計の穴を埋める

ホワイトペーパーでは、発行元の企業のリサーチによる情報が記載されることがあります。こうした独自の情報は、公的な統計で示されていない事実を知る材料として好まれるでしょう。例えば、独自アンケートの結果や過去事例をもとにした「業界特有の傾向」「簡易統計」などは「ありそうで無かった資料」として重宝されるでしょう。

ビジュアライズとサマライズ

BtoB向けのホワイトペーパーは、どうしても独自性・専門性が高くなりがちです。そのため、テキストだけではうまく内容を伝えきれないこともあります。できるだけ閲覧者の認知負荷を小さくすることを念頭に置き、適切に図や表、要約を使っていきましょう。

ホワイトペーパーはコスパの高いコンテンツ

最後に、ホワイトペーパー特有のメリットを紹介しておきます。ホワイトペーパーは制作難易度が高いコンテンツです。専門知や業務知識を持った人材が必要になるため、一般的なWebコンテンツに比べるとコストも時間もかかります。また、「ダウンロードしてから読む」という手間が閲覧者の心理的なハードルとなるため、Webコンテンツのように大量のPVを稼ぐことも難しいでしょう。しかし、こういったデメリットを凌駕するメリットがあることも事実です。

少しずつ形を変えながら多方面に展開できる

ホワイトペーパーを作るために収集した情報、アンケート、統計などは他のコンテンツにも応用が利きます。特に、ウェビナー用の資料や、動画コンテンツのスライド資料、メール配信用コンテンツなどと相性が良く、少しずつ形を変えながら複数のチャネルで展開していくことが可能です。要は「使いまわしが効きやすい」コンテンツなのです。

もちろん、適宜編纂・編集することは必要ですが、ホワイトペーパーの一部をLPに流用したり、Webコンテンツとして再掲したりすることで、高品質なコンテンツを短期間で制作することができます。

このように一旦作成してしまえば、柔軟に使いまわせるため、長期的にはコストパフォーマンスが高いツールです。特に、コロナ禍以降に一般化したウェビナー用の原稿/資料として最適化できれば、強いリード獲得につながっていくでしょう。

ホワイトペーパーを活用したウェビナー企画もあり!

ちなみに弊社では、ホワイトペーパーを有効活用した高品質なウェビナーによってリード獲得・ナーチャリングまでをサポートするサービス「デジテン」を提供しています。

デジテンでは、ウェビナー企画にありがちな「つまづき」を解消し、ウェビナーの質を向上させていきます。具体的には、「プランニング」「フォローアップ」の2点に注力し、リード獲得とナーチャリングを目指します。

  • ウェビナー企画コンサルティング
    目的・ターゲット・コンテンツの整合を意識した、企画コンサルティングサービスを提供。
  • ウェビナー開催後のフォローアップ・チューニング
    ウェビナー開催後のアンケート結果や反応をもとに、コンサルタントがフィードバックを提供。継続的なチューニングを施すことで、リードの数・質の向上を目指す。
  • デジタルマーケティングに関するアドバイス
    MA導入を含め、デジタルマーケティングに有用なアドバイスを提供。

「ホワイトペーパーは作成済みであるが、マーケティングに活かせていない」といった場合には、ホワイトペーパーをベースにウェビナー企画などを作成することも可能です。ぜひお気軽にお問合せください。

まとめ

ここでは、ホワイトペーパーの特徴やメリット、作成時のポイントなどを解説してきました。ホワイトペーパーは適切に運用すれば、手堅くリードを獲得できるツールです。ウェビナーやWebコンテンツとしての展開も視野に入れつつ、腰を据えて制作してみてください。

次回は、メールマーケティングについて解説します。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

株式会社ベンチャーネット 代表取締役
2005年に株式会社ベンチャーネットを設立後、SEOをはじめとするデジタルマーケティング領域のコンサルティングサービスを展開
広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で支援を行っています
著書に『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業 「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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