ERP×AIがトレンド!メリットや効果・導入のポイントを解説

ERPとAIの組み合わせがビジネストレンドとして注目を集めています。最新技術を取り入れることで、企業は業務効率の向上、コスト削減、そして競争力の強化を実現しています。本記事では、ERPとAIの統合による具体的なメリットや効果、さらに導入に際しての重要なポイントについて詳しく解説します。

ERPとAIの融合がもたらす革新の可能性を探り、どのようにして企業がその恩恵を最大限に活用できるかをご紹介します。

目次

ERP×AIとは

ERPとAIの統合は、企業の業務管理を根本的に変革するものとして注目されています。この統合により、ERPシステムは従来の機能を超えて、業務の効率化、コスト削減、そしてより精度の高い意思決定を支援する強力なツールへと進化します。

高付加価値を生み出すためには、最小の人員で最大の成果を目指す業務プロセスの構築が必要です。また、現代はITありきの業務プロセスが普通であり、特にERPと業務を完全に切り離すことは難しい状況です。したがって、付加価値を生み出すためには、相応の機能を持ったERPでなくてはなりません。

ERPは現在、過渡期にあります。「モノシリック型(一枚岩)」から「コンポーネント型」へ、さらには「AIと業務処理を融合させたクラウドERP」への進化が続いています。

この「AIと融合したERP」こそが、付加価値を生み出す「未来型ERP」です。

ERP×AIの特徴

では、未来型ERPについて概要を紹介します。未来型ERPはAIと融合したERPですが、もう少し具体的に言うと以下のような特徴を持ちます。

未来型ERPは、AIと融合した革新的なERPシステムです。以下に、未来型ERPの特徴を具体的に紹介します。

自動化対応を前提としている

未来型ERPは、業務プロセスの自動化を前提としています。AIが搭載されたERPは、データ入力、在庫管理、会計処理などの反復的なタスクを自動化します。例えば、請求書のデータ入力や処理を自動化することで、人的エラーを減らし、作業効率を大幅に向上させます​ 。

オールインワン型かつクラウド

未来型ERPは、オールインワン型でクラウドベースのシステムです。これにより、企業全体のデータとプロセスを統合し、どこからでもアクセス可能にします。クラウドベースのERPは、スケーラビリティと柔軟性が高く、迅速なシステム更新や保守が可能です​。

AIがあらゆる機能に関与している

未来型ERPでは、AIがシステム全体のさまざまな機能に関与しています。例えば、予測分析により需要予測を行い、在庫管理を最適化します。また、AIは顧客の行動パターンを分析し、マーケティング戦略を改善するための洞察を提供します。

雑務を対話型AIが自動化

未来型ERPは、対話型AIアシスタントを活用して、雑務を自動化・簡略化します。具体的な機能は以下のとおりです。

チャットAIアシスタントの活用

ユーザーが欲しいデータをチャットで入力すると、AIアシスタントが自動で検索し、適切な情報を提示します。例えば、在庫状況や会計情報などのデータを自然言語で回答する機能です。

会計伝票作成支援

会計伝票作成時に、AIアシスタントが仕訳の方法を教えてくれる機能です。これにより、新人でも迅速かつ正確に伝票を作成することができます。

自然言語処理の活用

人事情報や会計情報を自然言語で問い合わせると、AIが即座に回答します。これにより、情報検索が迅速化され、業務効率が向上します。

ERP業界のトレンド

ERP業界では、「全体最適型」と「部分最適型」という2つのトレンドが交互に注目を集めてきました。現在は、オールインワン・クラウド型(全体最適型)とSaaS型(部分最適型)の二極化が進んでいます。

全体最適型の利点

オールインワン・クラウド型のERPは、企業全体を統合する力が強く、付加価値創出のためのコアシステムとして最適です。例えば、全社的なデータ分析を一元管理することで、経営判断を迅速に行うことができます​​。

部分最適型の利点と課題

SaaS型ERPは、コスト面で優れていますが、システム統合の面では劣ることがあります。部分最適型のERPは、特定の業務や部門に特化したソリューションを提供するため、初期導入コストを抑えることができますが、全社的な統合が難しいという課題があります​。

ERP×AIのメリット

ERPシステムにAIを統合することで、企業は業務効率の向上、コスト削減、意思決定の精度向上など、多くの利点を享受できます。以下に、具体的なメリットを例を挙げながら解説します。

自動化と効率化

AIを活用したERPは、データ入力や請求処理などの反復的なタスクを自動化します。たとえば、AIが請求書のデータを自動で入力し、処理することで、従業員が手動で行う必要がなくなり、エラーも減少します。この自動化により、作業時間が大幅に短縮され、効率が向上します​。

プロセスの最適化

AIは業務プロセスのボトルネックを特定し、改善策を提案します。たとえば、AIが物流のデータを分析し、最適な配送ルートを提案することで、配送時間の短縮とコスト削減が実現します。これにより、在庫管理や供給チェーン全体の効率が向上します​​。

個別化とパーソナライゼーション

AIはユーザーの行動や履歴データを分析し、個別化された体験を提供します。たとえば、ERPシステム内でユーザーの過去の操作履歴をもとに、必要な情報を先回りして提示することで、業務がスムーズに進行します。この個別化は、ユーザーの満足度と生産性を高めます​​。

強化されたセキュリティ

AIは異常検知や脅威の予防に役立ちます。たとえば、AIが通常の操作パターンを学習し、それに基づいて異常なアクセスや行動を検出することで、セキュリティ侵害を未然に防ぐことができます。この機能により、データの安全性が向上します​​。

データ分析とインサイト

AIは大量のデータから有用なインサイトを抽出し、意思決定を支援します。たとえば、AIが売上データを分析して季節ごとの需要を予測し、在庫計画を最適化することで、無駄な在庫を減らし、コストを削減します。

コスト削減

自動化とプロセスの最適化により、企業はコストを削減できます。たとえば、AIが経費の自動監査を行い、不正な支出を迅速に発見することで、財務管理の効率を高め、無駄なコストを削減します​。

ERP×AIの機能の例

NetSuiteが提供するAI関連機能

オールインワン・クラウド型ERP「NetSuite」でも、AI機能が続々と実装されています。

NetSuite Text Enhance

NetSuiteのテキスト生成用AI機能です。最初の数語を入力するだけで、企業固有のデータから独自のコンテンツを作成できます。Oracle Cloud Infrastructure(OCI)によってサポートされており、財務/会計、人事、サプライチェーン/業務、営業/マーケティング、カスタマーサポートなどあらゆる部門で、AIを活用した原稿作成を迅速に行えます。

NetSuite Planning and Budgeting

意思決定サポートのためのAI機能です。データ分析を自動化し、計画、予測、差異を継続的に監視・分析する予測アルゴリズムにより、トレンド、異常、相関関係などを迅速に発見します。

NetSuite Bill Capture

請求書作成をサポートするAI機能ですね。過去データに基づいて請求書を半自動的に作成できます。

まとめ

今回は、付加価値を生み出すためのシステム「未来型ERP」について解説しました。コア人材+AIによって付加価値を増大させるためには、AI活用が不可欠です。現在のAIは、「少し賢いテキスト生成ツール」「読み取り、抽出、まとめを自動化するツール」というイメージですが、進化のスピードを考えると1~2年で圧倒的な業務処理能力を備えることは想像に難くありません。AI搭載型のERPによって業務廃棄と自動化を徹底し、付加価値創出をすすめていきましょう。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

株式会社ベンチャーネット 代表取締役
2005年に株式会社ベンチャーネットを設立後、SEOをはじめとするデジタルマーケティング領域のコンサルティングサービスを展開
広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で支援を行っています
著書に『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業 「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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