【考察】AIやRPAの導入で、人間の仕事が99.7%奪われる?

AIやRPA(Robotic Process Automation)で、人間の仕事がなくなるといわれています。AIはブルーワーカーやプロフェッショナルワーカーを含めた全分野で、そしてRPAはホワイトカラーワーカーの分野で、仕事を機械化によって奪うと。

今回は、RPAについてお届けしながら、同時にAIやRPAによって仕事がどう変わっていくか、また人間の仕事が99.7%奪われるとはどのような変化が起きるのか。考察していきたいと思います。(RPAについては本文中で解説します)

目次

AIで仕事がなくなる?

まず、AIから。冒頭の99.7%の仕事がなくなる、の数字面での根拠は、ソーシャルメディア「Twitter」におけるこちらのツイートを参照しています。

同表では、2030年に、AI・ロボットなどに置き換わる可能性

レジ係・・・99.7%
一般事務員・・・99.7%
プログラマー・・・94.2%
税務職員・・・94.0%
行政書士・・・93.1%

など、いかにも「それっぽい」仕事が並びます。ジャンルを問わず、これらがあと10年でなくなる仕事だというのです。
一方で、置き換わらない仕事として

画家・・・5.2%
アナウンサー・・・0.7%
精神科医・・・0.1%

と、また多くの仕事が並びます。

私たちは来る2030年に向けて、何をすべきでしょうか?10年後に備えて画家に転身する?精神科医になる? そんなことはなかなか難しいですよね。そもそも、レジ係を辞めて画家になるというのは(もちろん仕事に貴賤はないという前提の上で)なかなか至難の業です。それに、あなたは今の仕事が好きなはずです。

コミックマーケットのセブンイレブンとベローチェ

レジ係といえば、コミックマーケット(以下、コミケ)という同人即売会の催しが、毎年開催されています。歴史があり非常に愛されています。コミケには70万人以上の人がやってくるのです。

最寄りの東京ビッグサイト駅に、あるコンビニがあります。セブンイレブンなのですが、そちらのセブンイレブンは、コミックマーケットの凄まじい来客数をさばくため、全国から精鋭のレジスタッフが集められ投入されています。

また、近隣のベローチェというカフェも、全国チェーンであり、日本中から優れた技能を持ったスタッフが、コミケの期間だけ集められ、膨大な客数をテキパキとさばいていきます。

セブンイレブンには、キャラクターの缶バッジのおかげで1000円に値上がりした缶コーヒーが売られています。1000円でも、飛ぶように売れるそうです。軽食や飲み物を求めるお客様も多いことでしょう。並のスタッフでは対処できないため、プロフェッショナルが集まるのです。

これが、AIに置き換わらない0.3%の人材ということではないでしょうか。つまり、レジ係が99.7%の可能性で置き換えられてしまうのではなく、それぞれの業種に99.7%の大勢と、0.3%のプロフェッショナルがいる、そう考えられます。

では、やるべきことは何でしょうか?それはきっと、あなただけの0.3%を見つけることではないでしょうか。レジ係でも画家でも精神科医でも。どの職業も、やろうと思えばAIは十分対応可能です。画家という特殊な職業であっても、筆さばきを覚えさせて代筆させることはきっと可能でしょうし、精神科医もまた処方スキルはロボットのほうが高いはずです。

RPAとは?

では、続いてはRPAについてみていきます。
RPAとは、ロボットが事務作業を置き換えてしまう機械化のことを指します。AIが全職種横断的に、それぞれの仕事を置き換えるのと同様、RPAはホワイトカラー事務職の仕事を代替します。

RPAで有名なのはNTTグループが開発したWinActorです。
具体的にRPAが何をしてくれるかというと、繰り返し作業を片付けてくれるものが一番身近ではないでしょうか。

たとえば、毎日の伝票処理。
あなたが海産物卸の会社で事務員として働き、毎朝、豊洲からのオーダーをFAXで受け、入ってきた価格表をパソコンのエクセルに転記しているとします。

【海産物卸会社の事務作業の例】
(1)オーダーをFAXで受ける
(2)価格をチェックして現場に電話する
(3)パソコンを立ち上げFAXから転記する

という毎朝のルーティン作業に分割できます。

このうち、(1)は送信元があり、先方も一斉にFAXで送っているでしょうから、外部の人を巻き込むのですぐに改革は難しいですね。(2)も毎朝の様子を聞くために電話するという属人的な作業だと思います。では(3)はどうでしょうか。FAXで入ってきたオーダー用紙をパソコンに間違えないように転記すること。これは、ロボットに置き換えると正確かつ、スピーディで、その間の人件費を他に回せます。

これがある種のRPA化で、ルーティンかつ正確性を求められる仕事は、すべてロボットに置き換えてしまおう!という流れがあるのです。

・あなただけの0.3%

では、あなたに何ができるのか。冒頭でみたように、あなただけの0.3%を見つけることではないでしょうか。上記の海産物卸会社の事務員の例で言えば、RPAが読み取れない担当者のクセのある文字を解読するとか、電話をかけていつもの調子と違う担当者がいたら、体調不良やその他の挙動不審を感じ取るとか、そういった特殊スキルに特化していくのです。

WinActorの魅力

ところで代表的なRPAツールであるWinActorがあります。
シナリオ(上記で言うところの(1)~(3))に作業を分割して再定義し、業務を整理していきます。WinActorにはノードが入っていますので。それらの組合わせでも、自社の不ローに近いシナリオが組めます。

ただし、RPAを使いこなすには、ある程度の実装力が必要です。とくに、ExcelマクロやVBAという簡易プログラミングツールがありますので、まずはExcelでできることはすべてVBAに任せてしまうぐらいの最低限の技術力がないと、まだまだRPAのシステムを導入するには早いレベルかもしれません。

基本的に、

VBA=Excel内で完結
RPA=コンピュータ内で完結

と分けられます。すべてをRPAが代替する!とまではいきませんが、徐々にホワイトカラーの現場に浸透していって、仕事を助けてくれるはずです。(3)の作業をより正確に、スピーディに行ってくれる、つまり繰り返しの作業にもっとも適しているのがRPAなのです。

RPAを導入するイメージがなんとなくついたでしょうか。AIにしてもRPAにしても、今すぐすべての仕事を置き換える可能性は低いですし、10年後であっても100%とはなりません。残された特殊技能、人間にしかできない、つまりあなたにしかできない0.3%の業務を通じて、社会に貢献していけばいいのではないかなと感じます。

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