バーチャル経営の集客と販促〜 BtoB向けLP制作のポイント

LP(ランディングページ)はBtoCでよく使われるコンバージョン(購入・契約)を促す手法です。近年はBtoBでも多用されています。ただし、BtoCとは「型」が異なることに注意しましょう。BtoBにおけるLPの役割は「認知負荷を下げて問合せ(リード獲得)につなげる」という点に尽きます。BtoCとはゴールが異なるため、BtoB向けのLPをしっかりと作成できるようにしたいところです。

目次

LP(ランディングページ)の役割とは?

まず、一般的なLPの役割をおさらいしておきましょう。LPは、その名のとおり「Web検索から流入するユーザーの着地点」です。BtoCでは主にコンバージョン(契約・購入)を促すコンテンツであり、LPの出来次第で売上が大きく変動します。したがって、非常に重要なコンテンツです。下記は、BtoC向けLPの流れをまとめたものです。

  1. 共感を掴む
    閲覧者が抱えているであろう「お悩み」や「迷い」に寄り添うようなかたちで、共感をつかみます。また、その悩みや迷いが解決する方法があることを訴えかけます。
  2. 効果、利益を訴える
    1で提示した解決方法によって、具体的にどのような効果・利益が発生したのかを説明します。
  3. 問題解決できない理由
    1の方法は一般論であり、実行のためには壁があることを示します。
  4. 真の解決策の提示
    3までで述べた内容は実行が難しいとして、「真の解決策」として具体的な商材・サービスを提示します。
  5. 権威付け
    4で述べた具体的な方法の正当性、根拠などを明確にして権威付けを行います。

もちろんこれ以外のパターンもあり得ます。ただし、大枠としてはどのLPも大差がないはずです。BtoBでも似たような構成を使用するのですが、ゴールの定義が異なるため、そのまま流用することはできません。

BtoBでは、「課題と解決方法」をセットにしながら具体的な事例を掲載し、契約後のステップをイメージしやすいように訴えかけることが重要です。なぜなら、BtoBにおけるLPは、「担当者が上司を説得するための資料」でもあるからです。

BtoBとBtoCの最も大きな違いは、「意思決定者が一人ではない」という点です。BtoCであれば、「画面の前でLPを見ている人=意思決定者」なのですが、BtoBの場合は「DMU(Decision Marking Unit:意思決定組織」の一員です。したがって、画面の前では意思決定を行いません。一旦社内のチームに持ち帰り、検討・稟議を経てはじめて、コンバージョンへの道が見えてくるのです。そのため、BtoCの基本は踏襲しつつも、要所にBtoB特有のコンテンツを差し込む必要があるのです。

BtoB向けLPのテンプレート

では、実際にBtoB向けLPを、ワイヤーフレームをもとに説明していきます。

BtoB向けLPのテンプレート

キャッチコピー

キャッチコピーは、「ワンワードで製品・サービスを印象付ける」ことを重視していきます。企業やサービスを端的に表現したコピーを配置し、LPの中で最初に目に入る位置に置きましょう。また、「日本語でわかりやすく、汎用的な表現」であることも大切です。英文や専門用語は避け、できるだけ具体的に製品・サービスを表現します。

画像(メインビジュアル)については、も製品・サービスのイメージ即したものを使用しましょう。さらに競合他社の真似と捉えられないように特徴のあるものにすることで独自性を訴えかけます。

課題提示

課題提示部には、営業部隊やマーケティング部隊が顧客から吸い上げた課題を記載します。できるだけ現場の事例に沿うように、具体性を持った内容を簡潔に記載しましょう。箇条書きベースでも構いませんが、視線の流れが止まってしまわないように数は3~4つ程度にとどめるべきです。

製品・サービス説明

製品・サービス説明は「仕様を羅列する場所ではない」ことを意識してください。いわゆるカタログスペックは、LPの情報としてそれほど重要ではありません。ここに記載するのは、前述の課題に対する製品・サービスのアウトプットです。200~300字程度で、製品・サービスの説明を端的に記していきます。

製品・サービスの特長、他社との差別化要因

特長は3~5つ程度に絞り、特にアピールしたい点を記載していきましょう。ここでも、仕様の説明やカタログスペックを羅列するだけの内容は避け、強みやメリットを中心にまとめていきます。また、「最大○○時間短縮」「○○の基準をクリア」など、具体的・定量的な情報も交えていくことで、閲覧者が製品・サービスの内容をイメージしやすくなります。

FAQ、導入事例、成功事例

②の課題提示で挙げた内容に即した事例をいくつか提示することで、製品・サービスの実績をアピールしていきます。BtoC向けLPの「権威付け」に近い役割を果たすため、社内から吸い上げた実績をしっかりまとめて記載しておきましょう。

CTA(行動喚起)

キャッチコピー部やページ下部には、閲覧者の行動を喚起するCTAを配置します。BtoBでは「問合せ」「資料請求」「事例集をダウンロード」といったCTAが配置されます。リード獲得に直結する部分出るため、積極的に配置すべきですが、くれぐれもユーザーの視線を遮断しないように注意してください。過剰に配置したCTAは離脱を促してしまうためです。

BtoB向けLP作成時のポイント

では、上記のテンプレートを使用してLPを作成する場合にポイントをいくつか紹介します。

1ページで理解・行動ができる配置

企業・サービス・製品の特長とCTA(行動喚起)が1ページ(ひとつのビュー)にまとまるようなLP制作を心掛けましょう。また、CTAと問合せの口は1ページ内(1スクロール内)にまとめて完結させ、常に視界にいれるようにしましょう。ただし、コンテンツの邪魔になるような配置はNGです。

最近はBtoB向けLPにも「モバイルファースト」の流れが広まってきましたが、現状ではPC向けを基本としても問題ないでしょう。可能であれば、レスポンシブデザインを採用したいところです。

信頼と安心の提供

課題提起、解決方法、結果、実証のステップを設け、信頼と安心を提供できるような内容を心掛けましょう。特に事例部分は権威付けにつながるため、非常に強いコンテンツです。「事例はホワイトペーパーに記載してダウンロードを稼ぎたい」といった場合でも、事例をベースにした具体的な内容を混ぜ込むようにしたいところです。

メリット、強みを具体的に

抽象的で意味ありげな言葉は避け、具体性、メリット、強み、成果を明確にしていきましょう。BtoBではDMUの一員である閲覧者が、上司に提案できるような具体性が必要だからです。

読みやすさを意識

BtoB商材は、どうしても専門的な用語が多くなりがちです。また、BtoCに比べると長く重い文章になる傾向があるため、適度に図や表を差し込み、ビジュアライズとサマライズを意識していきましょう。さらに、文章は流し読みや読み飛ばしを想定して端的にまとめ、用語や定義の統一で混乱を避けるなど、小さな工夫も忘れないようにしたいところです。

「認知負荷」を下げ「情報の質」を高める

BtoB向け商材は専門的な内容が多くなるため、「認知負荷」を下げ「情報の質」を高めるようなLPが理想です。また、効果測定・改善・検証を繰り返すことでリード獲得につながりやすくなります。ベンチャーネットでは、LP制作を「デジタルマーケティングの一種」としてとらえ、専任の実行部隊を提供するサービス「デジカツ」を開始しました。デジタルマーケティング人材は確保が難しいため、LP制作・改善まで手が回らない企業は珍しくありません。こうした企業に対し、「SEO集客」「LPのCV改善」「広告改善」「MA導入、運用代行」といったデジタルマーケティング施策の実現をサポートします。

まとめ

本稿では、BtoB向けLP制作時のポイントについて解説してきました。BtoB向けLPは、過剰な訴求が逆効果となることもあります。そのため、実は扱いが難しいコンテンツなのです。弊社ではBtoB向けLPのPDCAについてもご相談を承っております。ぜひお気軽にお問合せください。次回は、「SNS」について解説していきます。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

株式会社ベンチャーネット 代表取締役
2005年に株式会社ベンチャーネットを設立後、SEOをはじめとするデジタルマーケティング領域のコンサルティングサービスを展開
広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で支援を行っています
著書に『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業 「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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